90 ページ43
.
大乱戦をするならば、騎馬戦が始まってからにして欲しい。
そこなら大暴れしてくれて一向に構わないから。
「何あれ」
「試合前なのにあんなじゃれてていいの？」
「舐めてんだろ、俺らのこと」
狐耳が反応した。
どうやら、先程まで睨んでいた人たちが、ついに悪口を言い始めたらしい。
所詮、嫉妬や妬みだろう。
「ほっとけ、勝手に言わせときゃいいんだ」
「……いやまあ、そうだけど」
知らず知らずのうちに睨んでいたらしく、相澤が無視を促す。
「てか、相澤も聞こえてたの」
「まあ、うっすらと」
「ふーん」
白雲や山田は未だに乱戦を続けていることから、おそらく先程の言葉は聞こえていない。
それでいい、あまり聞いていて気持ちのいいものじゃないから。
「チーム決めは済んだかー!? じゃあ早速、トラップありの騎馬戦始めるぞ！」
「おーい、騎馬組もうぜ！」
学年主任の声が響いたあと、騒がしかった空気が一気に緊張へと変わり、騎馬を組み始める。
誰が騎手になるか決めていないのだが、そこら辺大丈夫だろうか。
「ショータが上で、Aが前で、俺らは横な！」
「いや決めんのはや」
「……けど、"個性"の都合を考えたらそれが一番だろうな」
相澤の言葉に一理あると納得し、前世の中学以来の騎馬を組む。
「あ、山田。さっきのあれ聞いてみて」
「おう、任せろ！ ヘイティーチャー！ 浮くのってアリっすかー!?」
「アリだ！」
「だってよ！」
「よし」
騎馬を組み終わったチームが、私たちの方をじっと見つめる。
何を企んでいるのか、何をするつもりだ、という警戒の視線だ。
「っし、みんな組み終わったな！ んじゃあ━━スタート!!」
「クラウド！」
パチンッと指を鳴らし、白雲の横にクラウドが現れる。
それにふるふると揺れながらも、何とか乗ることに成功し、空高く昇っていった。
「浮くって……そういうことかよ！」
「あれじゃ取りに行けねぇじゃん！」
下から睨んでいた人たちの声が聞こえる。
ズルだの卑怯だの、言いたい放題だ。
そういう考えしか頭に浮かばないあの人たちは、本当にヒーロー志望なのだろうか。
心底疑問である。
「どうする。このまま逃げ続けるか、取りに行くか」
「もちろん取りに行く」
「珍しく怒ってんなぁ」
「そりゃ怒るでしょ。友達侮辱されてんだし」
「……イケメンかよ」
「イケメンだわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 510人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» 二度目のコメントありがとうございます！ なるほど、最推しは相澤先生ですか。分かります、クソかっこいいですもんね(同担拒否だったらすみません)。どんどん爆発していってください！← (2021年7月11日 0時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - うひゃー！！！相澤先生！！！最推しと同じクラスとか爆発するんですが＼ボーン／ (2021年7月10日 23時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - 月狐さん» 勿論でございます…なんせMHA大好きなもので… (2021年7月9日 22時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» コメントありがとうございます！ 多分、R_yomoyadさんの思い浮かんでいる人物ですね（笑）白髪で思い浮かぶとは……もしや相当推してますね？(ただ言いたかっただけです、すみませんっっっ!!) (2021年7月9日 22時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - まって！？白髪！？え！？えもう1人しか思い浮かばへん！！え同期組！？よっしゃ救ったる(まだ確定してないのに勝手に気合い入れてる人) (2021年7月9日 21時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年6月10日 21時
