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ケラケラと笑いながら語り、チラッと燈矢の方を見る。
「……あれっ」
私の語り方が悪かったのか、燈矢は話などそっちのけに問題集を解いていた。
興味を持っていると思っていたのは私だけだったらしい。
自分の勝手な勘違いに少し恥ずかしさが湧いてきた。
そのままフリーズし、動かなくなった私に冷さんの声がかかる。
「Aちゃん、ちょっと焦凍のお世話頼んでもいいかしら」
「あ、はい。もちろんです！ ……燈矢、ちょっと行ってくるね」
「……ん」
勉学に勤しむ燈矢を横目に、呼ばれた私は急いで部屋を出た。
バキッと音を立てて鉛筆の芯が折れた。
「……なんで、焦凍ばっか」
醜い嫉妬心が湧き上がり、いつの間にか手に力がこもっていたようだ。
脆い鉛筆は容易く折れ、問題集の上にパラパラと破片が落ちる。
最近産まれた焦凍は、みんなに可愛がられている。
それはもちろん、父さんも母さんもAも。
俺が今まで積み上げてきたものが、一気に奪われていくような、崩れていくような。
そんな感覚に襲われ、最近は夏雄に話を聞いてもらっていたりする。
だが、誰も賛同はしてくれないのだ。
話を聞いている夏雄だって、冷や汗を垂らしながら黙り込んで返事をしない、共感してくれない。
冬美にも一度話を聞いてもらったが、やはり望んだ答えは出なかった。
「…………Aなら」
ぽつりと言葉がもれた。
Aなら、俺の意見にも賛同してくれるんじゃないのか。
そう考えた瞬間、弾かれるように立ち上がった。
Aは焦凍の部屋にいる、ここを曲がって左の部屋だ。
「うわっ!? ……って燈矢兄じゃん。なんでそんな急いでんの？」
曲がり角で夏雄にぶつかり、思わず尻もちをついてしまった。
心配そうに俺を見つめる夏雄と目を合わせるのが気まずい。
それから視線を逸らすように、尻もちをついたままじっと考え込む。
━━Aは、Aなら話を聞いてくれるのだろうか。
先程出した答えは、聞いてくれるだったのだが、ここに来て分からなくなってしまった。
俺の、話なんて。
誰も聞いちゃくれない。
「なんか大っきい音したけど……」
Aは静かに襖を開けて、周りをキョロキョロと見回しながらこちらに気づいた。
夏雄は座り込んだ俺にアセアセとしており、その俺は俯いたまま。
だが、それだけでAは何かを察知したらしい。
「燈矢、部屋戻ろっか」
そう優しく微笑んでいた。
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月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» 二度目のコメントありがとうございます！ なるほど、最推しは相澤先生ですか。分かります、クソかっこいいですもんね(同担拒否だったらすみません)。どんどん爆発していってください！← (2021年7月11日 0時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - うひゃー！！！相澤先生！！！最推しと同じクラスとか爆発するんですが＼ボーン／ (2021年7月10日 23時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - 月狐さん» 勿論でございます…なんせMHA大好きなもので… (2021年7月9日 22時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» コメントありがとうございます！ 多分、R_yomoyadさんの思い浮かんでいる人物ですね（笑）白髪で思い浮かぶとは……もしや相当推してますね？(ただ言いたかっただけです、すみませんっっっ!!) (2021年7月9日 22時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - まって！？白髪！？え！？えもう1人しか思い浮かばへん！！え同期組！？よっしゃ救ったる(まだ確定してないのに勝手に気合い入れてる人) (2021年7月9日 21時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年6月10日 21時
