生きてるだけで、罪と罰2【WT】 (ページ44)

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【3-1】③ ページ44

「きゃあああっ！」
向かいの校舎から叫び声が聞こえる。はっと窓の外を見ると、数人の生徒が廊下の角でモールモッドに追い込まれている。女生徒は膝から崩れ落ちる。

モールモッドが生徒に近づいて足のブレードを振り上げる。ここにいるメンツの足では誰一人、間に合わない。

私は慌てて弧月をイーグレットに持ち替える。実戦で使うのはまだ数度目。窓からイーグレットを構えて、スコープを覗く。目標に狙いを定めて、引き金を引く。

ギィン
モールモッドは足のブレードを弾かれて、体勢を崩す。焦ったせいで一撃で落とせなかった。

「ハズレ～」
隣で米屋がケラケラ笑う。
「い、今のは助けるためだから！」

私はもう一度スコープを覗いて、落ち着いて位置を修正する。左と下に数ミリ。
「次は外さないから」

引き金を引く。
今度こそ正真正銘敵を落としきり、ほっと胸を撫で下ろす。

「やっぱ外してたんじゃねーか」

弧月、バイパー、イーグレット。新しい力を手に入れて、私はどうにかやってるよ。

出水。
あなたは今、どこにいますか？