第四十二話 ページ45
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屋上へのドアを開けようとした時、何やら話し声が聞こえてきた。
え………もしかして徳川くん?
そっ、とドアを開けて様子を覗いて見ると、そこにいたのは本多くんと織田くんだった。
気になってこっそり聞き耳も立ててみる。
「これ、もし良かったら…」
本多くんはそう言いながら織田くんに何かを差し出している。
「佐渡島産の高級干し柿」
「こやつ……中々に美味そうではないか!」
『おぉ…プレゼント……』
小声でそう呟きながら思い出したのは、先日の占いのこと。
恋愛相談をした本多くんに、みやびちゃんは「何かプレゼントをあげると良い」と言ったのだ。
成程ね……本多くん早速実践してみたんだ。確かに織田くんって干し柿が好きだったな…………
そしてなんとなく雰囲気から本多くん織田くんのことが好きなのかとは思っていたが……決定的瞬間を見てしまった。
頑張れ、私は恋する少年少女達を応援してるぞ。
そう影で微笑んでいると、本多くんがこちらへ来……
「!!」
『あ』
隠れようとした瞬間、タイミング悪く本多くんと目が合ってしまい、彼は慌てたようにこちらへ走ってくる。
私も急いで逃げようとしたものの、階段を降りる寸前で本多くんに腕を掴まれてしまった。
『本多、くん……』
「お、お前っ…い、今の……見てた、か……?」
『……………はい…』
私が頷くと絶望したような表情になる本多くん。
いやごめんて。誰にも言わないから。
『だっ、誰にも言わないから安心して!?そ、それに……応援してるよ!本多くんのこと!!』
「……ホントか?」
『う、うん、勿論!!』
半ば強制的に頷くと本多くんは笑顔になって、「じゃあ、絶対に誰にも言うなよ」と私に念を押して去っていった。
『…………どうしよ、』
屋上には干し柿に夢中になってる先客がいるけど……彼の後を追うのも気まずかったので取り敢えず足を踏み入れることにした。
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moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時