第二十六話 ページ29
・
「続いての旗印戦ですが、掲げたのは再び秀吉くん」
「は?」
「連続?」
「ちーっす」
茶に将棋と、喧嘩とは程遠い内容にクラスの皆は不服そうな顔をしていた。
画面の中の二人も、難しい顔をしていた。
それとは逆に秀吉くんは旗印を掲げた本人である故に随分と余裕そうで、一人で二人を相手にしている。
それにしても彼の特技が茶や将棋だなんて意外だ。私が勝手に抱いていたイメージだと、クラブ通いのチャラ男って感じがする。失礼だとは思っているけど、皆に言ったらそこそこ理解される自信はある。
秀吉くんはあっという間に王手を取り、無事旗印戦に勝利。
終いには二人に「搭載されているスペックがちゃうねん」とムカつくような言葉で煽っていた。
「もーっと頭下げんかい。地べたにキスするように!」
「ひーでーよーしーぃぃ……!!」
悔しがる彼らに向かって投げキッスをする秀吉くん。
まあ、なんというか、秀吉くんが賢いということはよく分かる旗印戦だったかな。
というか秀吉くんって外来語使うの好きだね。
秀吉くんの無双旗印戦が終わり、教室を出れば目の前のベンチにみやびちゃんと秀吉くんが座っていた。
『秀吉くんお疲れ様』
「Aさん!」
「あ、Aちゃーん!!なあなあ、見てた?俺の………王手」
そう言って先程王手を打った自分の真似をする秀吉くん。
『うん、将棋は全然分かんないけどかっこいいなとは思ったよ』
「ほんま〜〜??もし良ければ今度俺が一から将棋、教えたるで♡」
『そう?じゃあ折角なら教えて貰おうかなあ』
私の言葉に嬉しそうにうんうんと秀吉くんが頷いた瞬間、私の背後から声がした。
「おい、猿」
猿って……秀吉くんのことだろうか。明らかに不満だという顔をした井伊くんがこちらへ歩いてきた。
「お前みたいな卑怯なヤツ、初めて見たよ」
「……………戦はな、腕力だけとちゃう。ここ、ここ」
そう言って秀吉くんはこめかみ辺りを指で叩くと井伊くんは悔しそうに舌打ちをして去っていった。
そんな彼を見て満足したのか、秀吉くんも教室に入っていった。
226人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時