第二十一話 ページ24
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さて、今日は調理実習の日だ。
実は私、料理が苦手である。別に出来ないわけじゃないのだけど……普段はインスタントやコンビニに頼りっぱなしだし。
自分でもだらしないなとは思っているよそりゃあ……
「どうしたのですか?Aさん、元気がないですけど…」
『う〜ん……私、そこまで料理が得意じゃないと言うか…』
「成程。ですが私も得意とまではいきませんし、安心して下さい!」
『あ、ありがとう…』
みやびちゃん…私に気を遣って言ってくれたんだろうな…だけど絶対上手だって雰囲気を醸し出してるよ、隠しきれてないよ。
調理室に着いて席の場所が書いてある黒板を見た途端、私は軽く悲鳴をあげた。
メンバーは黒田くん、伊達くん、みやびちゃん。
みやびちゃんと一緒なのは嬉しいけど、嬉しいけども!!
何でこんなに器用そうな人達と一緒なのかな!?
ま、まあでも別に…料理が全く出来ない訳じゃないからね。ちょっと苦手なだけ、だし。
そう自分に言い聞かせながら取り敢えず卵焼きを作るが……
「うーん……なんか微妙?」
自分にしては大分良く出来たものの、若干形が歪になってしまった。
一口切って試しに食べてみる。まあ悪くはないかも。
そういえば久しぶりに卵焼き食べたな〜なんて思っていると、横からみやびちゃんが顔を覗かせた。
「Aさんの卵焼き、美味しそうですね!」
『えっ!そ、そう!?ありがとう……あ、良ければ食べる?味は………保証しないケド』
そう言ってみやびちゃんの口にあーんしてあげると、にっこにこの可愛い笑顔でもぐもぐしながらこちらを見た。
「凄く美味しいです!Aさん、さっきは苦手と仰っていましたが、充分お上手じゃないですか!」
『え、えへ……ほんと?みやびちゃんがそう言うなら……うまい、のかも…』
普段こんな褒められることがないのでつい調子に乗ってしまう。
「ほう…私も貰っていいか」
『だ、伊達くんも!?い、良いけど…』
隣にいた伊達くんにそう言われて少し緊張する。
卵焼きを切ってお皿に乗せ、彼の前へ持っていくと、ちょっと顔を顰められた。な、何が不満なんだ。
「先程の日下部みたいにはしてくれないのか」
『えっ、あ、ああ…はい……』
異性にあーんだなんてなんだか恥ずかしかったが、言われてしまったからには後に引けず、彼の口に運んであげると、深く頷いて「美味い」と言ってくれた。
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moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時