第二十話 ページ23
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「徳川家康だ」
「この方が、徳川家康…」
『??みやびちゃん知ってる人?』
「えっ!?あ、いや…なんでもないです!」
私の席の少し前にいる井伊くん達も15歳に見えないとワチャワチャ笑っていた。
だ、だよね、そう思ったの私だけじゃないよね、良かった。
魔村さん達が去って行き、彼はどっしりと空いてる席に座った。
…いや、そこ武田くんの席……じゃない?それに私の隣とかオーラ怖すぎて無理なんですけど…!
目が合わないようにこっそりと横を向こうとしていると、井伊くん達が早速転校生くんに絡みに来た。
この4人、入学式の時も武田くんに絡んでなかった?
「おい!なんだお前?そのグラサン!」
「ゴミが目に入らないようにな」
『ゴミ……?』
ゴミって、目にゴミが入らないようにってこと?対策しっかりしてるんだ、凄い。
「…おいテメェ、こっち見ろよ。ビビってんのか?」
「ゴミをまじまじと見つめる人間がどこにいる」
「チッ…!ゴミだぁ?」
ゴミ呼ばわりされた井伊くんは、ズボンの裾を広げて怒りをあらわにした。
な、なんだ。ゴミって人のことだったの?人のことゴミ呼ばわりは、ちょっとなあ……思春期拗らせまくった男子みたいになってるよ。
「やめましょうよ、あの、朝ですし……」
「まあまあまあまあ!2人とも落ち着いて。どうしても言うなら、旗印戦で」
「旗印戦…いかにもゴミ共が喜びそうな催しだ。しかも、あの使い古されたボロボロのホウキみたいな頭の奴がトップとは、たかが知れている」
その言葉に私はムッとした。
もしかしたら徳川くんは武田くんのことが嫌いなのかもしれないけど、それにしても流石に言い過ぎじゃないのか。武田くんが可哀想だ。
「おやめください!」
「おぉ〜、焼けた焼けた」
たまらず喋り出したみやびちゃんの声に被せるように信長くんがめちゃくちゃ場違いな声をあげた。
ほ、帆立……美味しそう。一個貰えたりしないかな。
な、なんて!!今はそんな空気じゃないのに私ってばつい忘れてしまった。
……もしかして、織田くんの狙いはそこ?
「また助けられたな。見てたぞ、お前が救われたとこ。信長にもらった、偽物の勝利か……」
その言葉の後に、武田くんは黙って出て行ってしまった。
やっぱり気にしてたんだなあ、武田くん。確かに彼はプライドの塊のような感じだし。
それよりも、徳川くんのあのセリフは……あの戦いを見ていたんだ。
彼に嫌な予感がしたのは……ただの気の所為だと思うことにした。
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moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時