貴方と私のアバンチュール【新・信長公記】

第十九話 ページ22

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上杉くんの演奏は一言で言うと……めちゃくちゃ凄かった。
なんというか、言葉に言い表せない。カッコいいの塊。
周りも盛り上がってるしこれは勝ち確な気がする。

「採点は…」
そう言って宙に表示された結果は


「28000点。
今回の旗印戦。勝者は、上杉謙信くん」
『わーい、やったー！！』
嬉しさのあまり、思わず立ち上がって喜んでいる中、前方の4人はブーイングをしていた。
というか28000点ってなにー！！最高何点なの！！
まあでも上杉くんが勝てたし気にしない。

『かっこよかったねぇ、みやびちゃん！』
「はい……！」
「てかぁ……ビート対決ってなに？」
『え？』
「正直、どっち勝ったか分かりにく。音楽なんて、好みもあるやん？」
「そうですか？上杉くんの演奏、素晴らしかったです」
「まぁ…俺やったら、もっとココを使った戦いするけどなぁ」
『…頭？』

秀吉くんは自分のこめかみ辺りをトントンと叩いて、教室から出て行った。
ということで私も丁度見終わったし、お手洗いにでも行こうかな。
そう思って彼を追うように教室を出た。


戻ってくると、龍造寺くんや今川くん達が旗印戦のランキング表を見てなにか言っていた。
それを横目に、みやびちゃんの隣に座ろうと思ったが、先客(上杉くん)がいたのでその彼の隣に座った。

「あんなに琵琶がお上手なんですね…！」
『うんうん！上杉くんめちゃくちゃカッコよかった！』
「ははっ、そう言って貰えると嬉しいよ」
「俺も弾けるしぃー！」
嬉しそうに琵琶を弾く真似をした上杉くんに、秀吉くんが悔しそうに身を乗り出してそう言った。

その時、いきなり魔村さんが水晶を持って教室へと入ってきた。
「一同、注目」
そうして水晶に被さっている布を取ると、理事長が顔を出して、挨拶をした。

「今日から転校生が加わります」
『えっ、転校生…！！』
「フッ、急だな」
「どうぞ」


だ、だ、誰だろ！！女の子だったら嬉しいなあ…
そう思いながら期待を込めて外を見つめていると、入ってきたのは………え、本当に15歳？

サングラスをかけた彼はがっしりとした体付きで、背も高く、本当に同級生なのか疑ってしまった。
まあ、このクラスに来るってことは同い歳なんだろうけど……

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