【陰陽師】女子高生と茨木童子 3

見えてくる表情 ページ8

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「おーねえさん！」


「ぐふっ」


縁側を歩いていると、後ろから猛スピードで抱きつかれた衝撃で前に倒れそうになるが、なんとかふんばった


般若がここに来てある程度時が経つ


懐かれてしまったのか、スキンシップしてくるように、何かあればすぐ


「遊ぼうよ！ねえってば！」


…と、言ってくるようになったのだ。眩しいぐらいの笑顔で


「私これから雑巾がけしなくちゃいけないの。また今度ね」


ほとんど家事は紙式神達がやってくれるのだが、任せっぱなしなのは良くない


「えー、つまんないの」


般若は頰を膨らませ、不貞腐れてしまった


困ったなあ…


すると強い力で誰かが私と般若を引き剥がした


そしてそのまま抱き寄せられ、心地良い温もりに包まれる


一瞬の出来事だったのでびっくりしたが、抱きしめられてこんなに安心を感じられるのはただ一人しかいない


「私の女に触れるな、雑魚が」


茨木童子は低い声で威嚇する


「うるさいなー、お姉さんと恋仲なんだか知らないけど、僕は遊びたいの」


般若も負けずに反論する


…なんなのこの状況！気まずいんですけど！


しかも私、人前で堂々と抱きしめられてる！？


嬉しいけど恥ずかしい！


「Aはお前のようなやつに構っている暇などない」


「はぁー、君の方が十分子供じゃないか…仕方ないから今回は諦めてあげる。またね、お姉さん」



般若は諦めてどこかへ去っていった


「…茨木童子？あの、ごめんね？」


顔を見上げると、物凄い険しい表情していた


般若は子供だけど、男には変わらないものね…認識が甘かったわ


「気にすることはない。君に近寄る輩は私が振り払うまでだ」


…っど、独占欲丸出し


恋仲になってから、良い意味で色々やばい


今まで知らなかった茨木童子の言動や表情が、沢山見えてきた


茨木童子は何か思いついたのか、口を開く


「それはそうと…今宵、君の元へ訪ねる」


「へ！？こ、今宵って夜？」


待てよ…この時代で夜に男女が会うってことは


あ、逢引！？


私は思わず顔を赤くする


まて、早い、早いよ！大人の階段に上がるのは早すぎるっ


あれこれ考えていると、茨木童子は頷き


「君に見せたいところがある。それはこの時期の夜にしか見れなくてな…」


ば、場所？


「そ、そっか…じゃあ庭院で待ってるね」


驚かせやがって！馬鹿野郎！


無駄にドキドキしちゃったじゃない…


しかも一人で先走ってたし、恥ずかしいわ

口付けするまで、10秒→←一緒に遊ぼう

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