検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:23,542 hit

甘噛み ページ25

「ふうー、ご馳走さまでした」


最後の一口を食べ終わり、両手を合わせた


この体勢で食べきれた自分を褒めたい


茨木童子の足の上に座ってるし身体は密着して体温を感じてしまって変に意識しないように、精神力使って疲れたわ…



「食べ終えたか。ん?Aよ、口元に米粒がついているぞ」


「え、うそ!?」



慌てて口元を隠す


最悪だ…好きな人にこんなだらしないところ見せたくなかった


さっさと取ろうとした瞬間、口元を覆ってた両手を掴まれ


「え?あの、…っんん」


そのまま引き寄せられ、口元をぬるりと舐められた



まるで体内の血が沸騰するかのように、ブワッと身体中が熱くなる



舐めた!?まってこれは恥ずかしいって!



「茨木童子まって…!」



鬼の胸に両手を置き顔を離した



「そういうのは!しなくていいから!」



必死な私に対して冷静な茨木童子


「仕方なかろう、君についていた米粒が美味しそうだったからな」


思ってもいない事を言い、はぐらかされる



「お腹空いていないって言ったじゃない」



「それとこれは別だ。…だが、もし腹を空かせた時は君の指の一本や二本、喰わせてもらうか」



ニヤリと笑ったまま鬼は、私の指を口元まで持っていき、カプッと優しく噛んだ



「っ冗談でしょ」



甘噛みは痛くなかったが、徐々に熱が噛まれている指に集中し始める



なんか、甘えてる猫みたい



見た目は立派でおっかない鬼なのに、やることが子猫だわ



私は空いている手を茨木童子の頭に置いて、撫でた



「…なぜ撫でる?」



「え?…なんとなく、かな」



可愛く見えたから、なんて口が裂けても言えない



でもなんかおかしくなってきたわ



思わず笑みが溢れる



「そうだ茨木童子、髪の毛を梳かしてもいい?」



すると茨木童子は怪訝な顔になった



「私のをか?君が考えることは理解できんな」



「お願い!」



両手を合わせ、顔を下げる



一度でもいいから、そのボリューミーな髪の毛に触れてみたい



勝手に触ったら怒られそうだし、事前にこうやって許可を得れば大丈夫でしょ!




茨木童子は不服そうに肩を落とした



「君の好きにすればいい」




「ありがとう!じゃあさっそく…」



私は右手に櫛を持ち、茨木童子の長い髪を左手で触れた

幸せは手に入れるもの→←朝餉のあと



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
102人がお気に入り
設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

翔子(プロフ) - 面白かったです!!続きが途切れていて少し残念でした。 (2020年7月18日 15時) (レス) id: 46d689b6ff (このIDを非表示/違反報告)
- 今更ながらの感想ですが、凄く面白いです^^*一日で全部読んでしまいましたヾ(*´∀`*) (2020年6月25日 7時) (レス) id: f3a30ae55a (このIDを非表示/違反報告)
神無(プロフ) - この作品を読まさせてもらいました!とても面白いと思いました!なので、更新頑張ってください! (2018年9月30日 16時) (レス) id: 3f0f44a8b4 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 桔梗さん» 有難きお言葉!満足頂けるよう頑張ります(*'▽'*) 虫取り網や枕を気で浮かせている茨木童子は見た目とのギャップでもう幸せですね…! (2018年8月16日 1時) (レス) id: c8fcfc89a6 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 勿論!ずっと読み続けたいです!現在のロード画面も感動しました(*´-`) (2018年8月13日 0時) (レス) id: 8ba5b5b6c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はぐはまさ | 作成日時:2018年2月4日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。