今夜の月は綺麗ですね。 (ページ7)

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剣士さんページ7

カランカラン

再びなったその音で

私と剣士さんは酒場から出た

「あの、ありがとうございます」

ゾ「ああ、気にすんな」

そのあとの会話もなくそのまま二人で歩く

剣士さんはどこに向かってるんだろう

そんなことを考えながら彼についていくと

「え？」

なぜか深い森に来た

こんなところ20年間過ごしてきて一度も来たことない

「あの、ここは？」

ゾ「・・・。」

「森・・・ですよね」

ゾ「・・・。」

「もしかして迷いました？」

ゾ「ちがっ」

「剣士さん、方向音痴ですか？」

ゾ「うるせえ！関係ねぇだろ！」

少し頬を赤らめながら叫ぶ剣士さん

なんだか笑いが込みあげてきた

「ふふふっ」

私が声に出してしまうと

驚いたようにこちらを向く

「あ、すみません」

ゾ「いや、いい。謝んな。」

「すみません。」

ゾ「おい」

「あ、」

緊張の糸が切れたように

二人で声に出して笑ってしまった

こんなに笑うのは久しぶり

いや、初めてかもしれない。

こんなに嬉しいことなんて思ってもみなかった

「楽しいですね」

ゾ「ああ？」

「ふふふっ」

ゾ「変な奴だな」