今夜の月は綺麗ですね。 (ページ25)

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この気持ちはページ25

ゾロ視点

展望台のジムで一人でトレーニングをしていると

「あ、ゾロさん」

という聞き覚えのある声がした

かと思えばそいつは少し止まった後展望台を降りようとした

おおかた俺の邪魔になるとか考えたんだろう

ゾ「どうかしたか」

「夕日が奇麗なので展望台から見ようかなって

でも邪魔しちゃ悪いので大丈夫ですよ」

そうしてAはまた降りようとした

その姿を見て俺は何故だかここにいてほしいと思った

ゾ「いや、邪魔じゃねぇ」

「じゃあお言葉に甘えて」

そこでふと気づく

ゾ「フード被ってねえの珍しいな」

「ああ、今日暑かったので」

いつも隠れている白銀の髪に

頭から生えるツノ、それが夕日にあてられ幻想的に映る

その感情に違和感と不思議を覚えながらそいつを見ると

「よいしょ」

という声とともに展望台に完全に上っていた

こいつはいつも黒いパーカーを着ていて

ナミたちのような服を着ることはなかった

ドクンと心臓が脈を打つ

ゾ「・・・っ」

「どうかしました？」

ゾ「いや、なんでもねえ」

俺がそういうとAは対して気にした様子もなく夕日を眺める

「綺麗ですね」

そういったあいつの横顔は夕日に照らされ

白銀の尻尾がかすかに揺れた。

ゾ「ああ、綺麗だな」

俺は夕日に言ったのかあいつに言ったのかもわからず、

この感情をどうすればいいのかもわからなかった。

ふとAは「気持ち悪。」とこぼした。

すかさず大丈夫かと顔を覗き込む。夕日にあてられ視線が交わる

少し驚いた表情をしたAは、ハッと後ろにのけぞろうとした

いくな。

その声にならない思いは、Aに口づけることで形になった

「ゾロ、さん？」

ゾ「わりい」

自分の気持ちを消化しきれない俺はそれだけ言って展望台から降りた