今夜の月は綺麗ですね。 (ページ11)

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お月様ページ11

ザァァ―ー

海を進む静かで平和な音で目が覚める

あれから皆さんの自己紹介を聞き

ちゃんと改めて仲間にさせてもらって、宴になった

ほとんどみんな酔いつぶれて

いまだにまだ寝ている

ふと空を見上げると夜空に星が光っている

月は満ちていてどうやら満月のようだ。

昨日の宴で皆さんと話して分かったことは

どうやら私は相当な世間知らずらしかった

まあ、20年間新聞なんてものも知らずに隠れて生きてきたのだから

当然と言えば当然だと皆は言ってくれたけど

もっと世界を知ろう

もっといろんなことを知ろう。

「今夜の月は綺麗ですね」

ゾ「そうか？いつもと変わらねえだろ」

「ゾロさん！？」

起きてたんですか、と問うと

俺はそんなすぐにはへばらねぇと

自信ありげに笑った

「今まで見ていた月はどこか鋭くて。でも今日の月はなぜかあったかいです」

ゾ「・・・お疲れさん」

ゾロさんはそれだけしか言わなかったけど

その言葉の中にどこまでが含まれているのか私にはわからないけど

どうしてか心が温かくなった

あの時ゾロさんが助けてくれて、しかも二回も

そしてゾロさんが迷子にならなければ

今私はここにいないかもしれない

「ありがとうございます」

ゾ「あ？」

「ふふっ」

ゾ「変やつだな」

前もこんな会話あったな

なんて思いながらもう一度月を眺めた

ゾ「まあ、悪くねぇな」

「え？」

ゾ「月だよ」

ゾロさんはぶっきらぼうに言い放つとその場を後にした

「はい・・・！」