82 最終章 ページ35
*
電車の中にいても、考えるのは蛍くんのことばかりだった。
新しい生活や、お母さんとの生活への不安をかき消すように、蛍くんのことを考えた。
新しい学校でもバレー部のマネージャーをしたいなぁ、なんて考えながら、私は東京駅へと到着した。
そのままお母さんに言われたとおりに乗り換え、目的の駅で下車する。
落ち着いた雰囲気のある街並みを遠目に見ながら歩いていると、お母さんの姿を発見した。
「……なんだか久しぶりね、A」
『うん、久しぶり、お母さん』
最後に見たときと比べ、お母さんは明らかに若返って見えた。
顔に浮かぶ笑顔は柔らかなものだし、動きや口調も丁寧でゆとりがある。
私はお母さんの再婚が、いい方向に転がったのだと悟った。
そして、お母さんは口を開いたり閉じたりをして、目に見えて迷った素振りを見せる。
「……あのね、A。じつは紹介したい人が二人いるの」
そう話しながら、お母さんは一つの家へと私を案内した。
いわく、私達の新しい家らしい。
おしゃれな家だった。
全体的に白と焦げ茶とでまとめられていて、落ち着きがある、嫌味のないオシャレさだった。
「Aの新しいお義父さんと、お義兄ちゃん、とっても素敵な人なのよ」
我が物顔で家へと入りながら、お母さんは言った。
玄関には、揃えられた靴が二足並べられていた。
そこに私と母のものを追加する。
私は黒いスニーカーの隣に靴を並べた。
これが、新しい義兄のものなのかとぼんやり考えた。
*
本作もいよいよ最終章。
ちょこっとだけ月島くんは出てきませんが、Aちゃんが宮城、そして月島くんのもとを離れ、新たな家族と暮らします。
楽しんでいただけると幸いです**
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きりんりん(プロフ) - 紅蓮姫百合桜さん» しましたね、きっと！月島くんがなんとかして結婚したと思いますよ……。それで多分、主人公ちゃんは自分の寿命と月島くんとの寿命に悩むんでしょうね……でも幸せなんだろうと思いますよ！！(*ﾟ∀ﾟ)最後まで読んで下さり、ありがとうございました！ (2018年4月6日 23時) (
レス) id: 11f19c1d32 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮姫百合桜 - 結局月島と夢主は結婚したんでしょうか！？ (2018年3月29日 14時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 魔夜魅月さん» ハイキューキャラの吸血鬼バージョンで短編集をつくりました！！そこで魔夜魅月さんのリクエストの東峰さんの作品をのせさせていただきました！ご希望に添えていると嬉しいです……！！ (2018年3月24日 14時) (レス) id: 11f19c1d32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 魔夜魅月さん» ありがとうございます！！東峰さん、かっこいいですよね！！！(*^^*)機会があれば書いてみたいので、そのときはお伝えさせていただきます！ (2018年2月15日 20時) (レス) id: c7d25ed46e (このIDを非表示/違反報告)
魔夜魅月(プロフ) - 毎回めっちゃ楽しく読んでます！あと、もし良かったら東峰旭さんの話読んでみたいです！ (2018年2月8日 18時) (レス) id: 1005dd8f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりんりん | 作成日時：2018年1月13日 20時
