【HQ!!】逢瀬に溺れる

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時は、私達が高校一年生になりたての頃まで遡る。








『…………大丈夫、ですか？』



私はうずくまる人物に、恐る恐る声をかけた。



登校時、決して短いとは言えない道のりの途中。



私は、さんさんと照らす太陽の下で光を受け、輝いている金色の髪の毛の人物を見つけた。



長い手足を器用に折りたたみ、気だるそうに片膝をたて、うつむく人物に、私は密かに心当たりがあった。



「…………うるさい」



かすかに、鋭い声が聞こえる。



大丈夫だと言いながら、全く大丈夫そうではない。



『……月島蛍くん、ですよね？……あの、その、私お隣のクラスの人間です』



わたしの言葉に、ぴくりと肩を震わす月島蛍くん。



『何かお手伝いできること、ないですか？』



例えば、学校まで自転車に乗ってもらって押していくとか、何か。
私が言うと、月島くんは、のんびりと顔を上げた。



ぎらぎらと鋭く光る眼が、まるでこの世のものではないみたいにきれいで、私は思わず見とれてしまった。



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