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一人の少女が、花壇を前にうなだれていた。



年齢は中学2年生ほどだろうか、園芸委員らしく、ぐちゃぐちゃになってしまった花を見て、露骨に態度をしおらせていた。



その様子を、たまたま見かけた少年が一人。



その少年は、いつも電車で見かける少女が花壇の前で座り込んでいるのを見て、小首をかしげた。



「……どうしたんだ?」



声をかけると少女は、困ったように笑った。



『お花が、野良犬に掘り起こされちゃったみたいで。これから植え直すんだけど、かわいそうで触れなくって』



少女が困ったように笑った。
すると少年がとなりにうずくまり、花壇の花を触りながら、言葉を紡いだ。



「……この花の養分が、次の花を育てる。だからきっと、次に咲く花は、この花の分も長く咲く」



少年は、言い終わると、近くに落ちていたスコップで、土をかきまぜ始めた。




『……手伝ってくれるの?』



少女の言葉に、少年は目を見開いて言った。



「…………当然だ」



さあああと、二人の間を風が吹き抜ける。




『……ありがとう……!』




ふわっと花がほころぶみたいな笑顔を浮かべた少女に少年は、恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに、目をそらした。









少年の名前を牛島若利。
少女の名前を成瀬A。



すれ違い、つまずきながらも、長い時を一緒に過ごすことになるのは、また後の、物語である。






『牛島くんに溺愛されてます』 fin *



*

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零月(プロフ) - 赤葦の片想いとか若様の天然故の不器用さとかあー!もー!言葉にできないくらい可愛いしカッコいい…凄くドキドキしたしきゅんきゅんしました!このお話最高です! (2017年11月19日 12時) (レス) id: 86a7555269 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - かふぇらてさん» あの牛島くんですよおお……ありがとうございます!!(*^^*) (2017年11月11日 20時) (レス) id: 09e8ea326d (このIDを非表示/違反報告)
かふぇらて - あ、あの牛島さんがぁぁぁぁ可愛いすぎます(/ω\) (2017年11月10日 14時) (レス) id: f0a3b81de7 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 令さん» ありがとうございます!!他の作品も!!ありがたいです(*^^*)拙い文章ですが、きゅんきゅんして頂けたなんて、嬉しい限りです(^^)/ (2017年11月9日 17時) (レス) id: 09e8ea326d (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ひまタイさん» 終わってしまったたなんて言ってもらえて嬉しいです!!ありがとうございます!また、お尋ねください(*^^*)続編も考えているので、よければそちらも!! (2017年11月9日 17時) (レス) id: 09e8ea326d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりんりん | 作成日時:2017年10月29日 19時

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