51皿目 ページ9
*
「笑顔が好きだ。授業中の思い出し笑いとか、料理のこと考えてる顔とか、楽しそうに笑う顔とか見たら、たまらなく好きになった」
白布くんはどこまでも真っ直ぐに私を見ている。私はまるで、肉食動物に捕食される草食動物みたいに、その場から動くことが出来ない。
「駒米の鼻歌を聞いたら、心臓の奥が疼くようになった。バレーのときにすら感じない疼き。頭から離れなくて風呂で歌ってからかわれたこともあった」
『な、なんかごめんなさい……』
ゆっくりうつむくと、よくしなる長い指でデコピンをされた。
なんで？！と顔を上げると、白布くんがいた。
俺から目を離すなと、自分の存在を私に深く植え付けるみたいな白布くんが。
『…………っ』
私は思わず息をつまらせる。
うつむくのは許されない。
目をそらすのも許されない。
時間を気にするのも、人の目を気にするのも、何もかもを許されない。
唯一、今の私に許されるのは、白布くんを見つめ、白布くんの言葉に耳を傾けることだけ。
＿＿そう思ってしまう威圧感があった。
「駒米が好きだ。……笑った顔も、鼻歌も、どれもこれも牛島さんがいたから引き起こされたって分かってて好きになった」
だから、ごめん。
そう囁かれた。
そう囁かれたのが耳元だったということに気がつくのに時間がかかった。
更に遅れて、私を強く拘束する腕に気がついた。
途端、肺いっぱいに白布くんの匂いが広がる。
結論。私は白布くんに抱きしめられていた。
『…………し、しし白布くんっ？！』
私の言葉に、更に締付けを強くする。
私を凝縮させるみたいに強く強く抱きしめる。
私は手をだらんと横に垂らし、静かにまぶたを落とした。
爽やかな匂い。暖かさ。
人のぬくもり。
人の、ぬくもり。
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きりんりん(プロフ) - 道化師さん» ありがとうございます！！言葉選び……そこまでしっかり読んでくださってるのですか！！嬉しいです！！ありがとうございます！！( ；∀；) (2018年5月27日 14時) (
レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ねこ。さん» ただいま帰りました！ありがとうございます！！とても嬉しいです……これからも頑張ります……！！(TдT) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 雪音さん» 無事帰ってこれました！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 彩夏さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！(*´∀｀) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - お帰りなさい！！私はこの作品と作者様が大好きです！！自信を持ってこれからも頑張って下さい！！ (2018年5月27日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりんりん | 作成日時：2018年4月4日 23時
