48皿目 ページ6
*
「どちらにせよ、ハッキリしたほうが俺は良いと思うよ___って、友達に言ってあげてー」
『え? ともだ……? あ、はい! 友達ね、言っておきます!!』
自分で言っておいて、友達の話だっていう設定忘れてた。
慌てて頷くと、天童さんはそういえば、と手のひらに握りこぶしをぽんっと打ち付けた。
「駒米ちゃんここまで運んだの、若利くんだから後でお礼言っといたら?」
若利、という単語に過敏に反応する私を見て、ニヤニヤする天童さん。
あれれ、もしかして、天童さんに私の気持ち、バレてる?
「どうしたの? 井の中の蛙みたいな顔しちゃって」
『か、蛙って……。教えてくれて、ありがとうございます。あとでお礼言いに行き』
って、あれ。
私は途中まで言って気がついた。
私は牛島さんにより運ばれた。
牛島さん、もしかして、牛島さん、私のこと。
『__も、持ち上げて運んだの……?』
さすがに引きずった訳じゃ無いよね。
さ、さすがに。……さすがに。
「あーね、お姫様だっこだよ。お姫様だっこ、おーひーめーさーまーだっこー」
『ひぇええ、は、は、恥ずかしい!!』
私が頭を抱えて耳を手でおおうと、その隙間から吹き込むように、何度も何度も「お姫様だっこだよ、お姫様だっこ」と言ってくる。
『あの、も、もうやめてください……』
「えぇー、どーしよっかなぁー」
さっき少しだけ落ち着いたのに、また顔から火が出てるんじゃないかってくらいに熱い。
天童さんは、すっごく楽しいぜぇという顔を隠しもせず、私を覗き込んでくる。
いつも思うけど、天童さん、顔が近い!!
「……じゃあさ、もう言わないから代わりに俺のこと覚って呼__」
「__A、大丈夫か?」
天童さんの言葉が牛島さんにより、うまい具合に被ってしまった。
『う、うしう、牛島さん! わ、私は大丈夫です……』
信じられないくらい噛んだ。
挙動不審上に顔が真っ赤な私のことを不審に思ったのか、牛島さんが少しだけ顎を引いた。
天童さんのほうをチラリと見るとやっぱりニヤニヤ笑っていた。
どうしよう、言ってしまおうか。
『あ、のここまで運んで下さり、ありがとうございました。お、重たい思いをさせてしまってごめんなさい』
あ、そういえば、天童さんが言いかけてたことってなんだろうか。
あとで聞いてみよう。
この、羞恥の修羅場を無事切り抜けられたら、だけど……。
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きりんりん(プロフ) - 道化師さん» ありがとうございます!!言葉選び……そこまでしっかり読んでくださってるのですか!!嬉しいです!!ありがとうございます!!( ;∀;) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ねこ。さん» ただいま帰りました!ありがとうございます!!とても嬉しいです……これからも頑張ります……!!(TдT) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 雪音さん» 無事帰ってこれました!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 彩夏さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!(*´∀`) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - お帰りなさい!!私はこの作品と作者様が大好きです!!自信を持ってこれからも頑張って下さい!! (2018年5月27日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりんりん | 作成日時:2018年4月4日 23時