70皿目 ページ28
*
＿＿ドンガラカッシャーン！！！
『ひいぃっ！！！』
私が喉から悲鳴を絞り出した。
しかし、私の弱々しい声は、鬱蒼と木々のしげる森の中、雨の音に溶け込み、すぐに消えてしまった。
視界には人ひとり映り込まない。
人の営みの灯りもない、ざあざあとすべてをかき消す雨の音しかない。
『……だ、だれか、助けて……』
私は再び、か細い声を吐き出した。
＿＿と、ザリザリと地面をする足音が聞こえてきた。
私は音の方へと首を向ける。
そこに居たのは＿＿＿＿
「このあとは肝試しだよって言ったんだよー」
天童さんのその言葉に、私は見事に硬直した。
キモダメシ、きもだめ、肝試し……肝試し？！
私が驚きて咳き込むと、天童さんはあれれ、大丈夫？と背中をさすってくれた。
背中をさするペースがリズミカルになっているのにツッコミたいけど、今はそれどこれでは無いのでスルーをする。
『……今、肝試しって言いました？』
「うん、言ったよ？？」
天童さんは、さも当然といった様子で頷く。
そして親戚さんに呼ばれ、私を置いてどこかへ行ってしまった。
私は工場のベルトコンベアみたいにお肉を口に運んだ。
美味しい味が口の中にぶわっと広がるのに、不思議だな、全然美味しいと感じられない。
そんな余裕が心に無い。
そして、あれやこれやとバーベキューはお開きになり、私達は心もとなくチカチカ光る懐中電灯を片手に、森の入り口へと立っていた。
曲がりくねる道の先、鬱蒼と茂る森の向こう、今は寂れ、使われていない神社があるらしい。
そこまで行き、参拝をして引き返す。
私はその説明を聞いている最中も、身体の芯からぶるぶる震えてしまった。
本当に怖がっているのに、天童さんやみんなはそれを面白がっている。
本当に、本当に怖いのに！！
時間も時間なのと、私もっての希望より、みんなで一緒に神社まで行くことになった。
『……ほ、ほ、本当に、行くんですか……？』
ちらり、みんなの様子を見ればそわそわと緊張感たっぷりに足取りを進める瀬見さんたちや、無表情を決めこむ牛島さんたちがいた。
この様子からして、本当に行くことは逃れられないらしい。
震える身体を抱きしめて、深くため息を吐き出した。
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きりんりん(プロフ) - 道化師さん» ありがとうございます！！言葉選び……そこまでしっかり読んでくださってるのですか！！嬉しいです！！ありがとうございます！！( ；∀；) (2018年5月27日 14時) (
レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ねこ。さん» ただいま帰りました！ありがとうございます！！とても嬉しいです……これからも頑張ります……！！(TдT) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 雪音さん» 無事帰ってこれました！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 彩夏さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！(*´∀｀) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - お帰りなさい！！私はこの作品と作者様が大好きです！！自信を持ってこれからも頑張って下さい！！ (2018年5月27日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりんりん | 作成日時：2018年4月4日 23時
