62皿目 ページ20
*
『牛島さんも3日間で帰られたんですね』
「あぁ、家にしか行かなかったからな」
ちら、と窓の外を見て、牛島さんはすぐに私に視線を戻した。
そして「ところで」と付け加える。
「さっき、泣いていたように見えたが、何かあったのか？」
私はちょっと目を見開いて、自分の目尻が一度濡れた後乾いて、パリッとしているのに気がついた。
なんだ、私、ちょこっとだけだけど、泣いてたんだ。
『……傲慢にも、嬉しかったんです。ただいまって言ってくれたのが。皆さんには帰る家があって、寮のほうかむしろ外なのに、まるで家に帰ってきたみたいな挨拶で……』
私はそう言っていて、再び泣いてしまいそうだった。
私はなんて傲慢な人間なんだろう。
居場所を欲する気持ちはしょうがないとして、それを人に押し付けてはいけない。
『……私はほんと、傲慢な人間です』
私が俯くと、牛島さんは大げさに息を吸い込んで、歯切れよく言い放った。
「人の居場所はここであるべきだと決められるようには思えない」
『……どういう、ことですか？』
私が首を傾けながら問うと、背後から優しいおちゃめな声がした。
大きな手が頭に乗せられて、柔らかく包まれ、撫でられる。
「……駒米ちゃんは、全然傲慢じゃないって若利くんは言いたいんだよ」
振り返り天童さんを見ようとするけど、頭に載せられていた手がそれを阻み、むりやり牛島さんと目が合うように顔を傾けられる。
『牛島さん』
「……なんだ？」
『いつも、ありがとうございます』
私は頬が緩むのを感じた。
牛島さんは少しだけ目を細めて、口元を柔く横に伸ばした。
笑顔らしい笑顔では無いけれど、いつもの牛島さんと比べると、ずっとずっと優しい顔だった。
「＿＿＿んで、イチャついてるところ悪いんだけど、明日からこのメンバーでキャンプ行くことになったから。……もちろん駒米ちゃんもセットで」
のほほーんと、爆弾発言。
ふろむ天童さん。
『……え、明日から？』
「そう明日から、泊まりで」
『泊まりでっ？！』
私の声が響いた。
驚きやら衝撃やらと、ちょこっとの期待をはらんだ声が。
*
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きりんりん(プロフ) - 道化師さん» ありがとうございます！！言葉選び……そこまでしっかり読んでくださってるのですか！！嬉しいです！！ありがとうございます！！( ；∀；) (2018年5月27日 14時) (
レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ねこ。さん» ただいま帰りました！ありがとうございます！！とても嬉しいです……これからも頑張ります……！！(TдT) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 雪音さん» 無事帰ってこれました！ありがとうございます！これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 彩夏さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！(*´∀｀) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - お帰りなさい！！私はこの作品と作者様が大好きです！！自信を持ってこれからも頑張って下さい！！ (2018年5月27日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりんりん | 作成日時：2018年4月4日 23時
