54皿目 ページ12
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『あ、話題がそれたけど、今外に出てるのは買い出しをするため。五色くんは……まぁ、私の助手って感じかな』
「助手……なんかキますね……」
私達はまず、スポーツ用品店に向かった。
そこで、壊れた備品やスポーツドリンクの粉などなどを買う。
「先輩見てください、この新しいシューズ、カッコイイですよ!!」
『ご、五色くん……ちょっとだけ声小さめで……』
私の言葉に、五色くんはささやき声で「ごめんなさい!」と言ってきた。
いや、そんなに小さくなくて大丈夫なんだけどね。
次に薬局に寄り、救急セットの中身を補充するべく、湿布や絆創膏等を買った。
「せんぱーい!! 見てくださいこのオレンジの象、10円入れるとうぃんうぃん動くやつですよ!!」
薬局の外のところに飾ってある象を見て、五色くんは興奮したように色々な角度からそれをまじまじと観察していた。
『わぁ、懐かしい……』
私が父とこのあたりに来たとき、この象が怖くて怖くて仕方が無くて、父にしがみついてたなぁと思い出す。
ほんと、懐かしい。
「俺、昔この象めっちゃ怖かったんですよねー」
『私も私も! ちょっと塗装が剥げてて、不気味だったぁ』
私の賛同に、五色くんが目を煌めかせながら先輩もですか! と顔を近寄せてきた。
純粋な子供みたいな瞳がキラキラと輝いていて、ぱっつんの前髪が動きに合わせて額で揺れる。
「俺、こいつが怖いがあまりに、この店の前通るたびに息止めてました」
『あははっ! 私達、似たもの同士だったんだね。まあ私は息止めてはいなかったけど』
ポンポン少し高い位置にある肩を叩く。
なんだか、弟ができたみたいな気分だ。
『ほら、あとちょっとだから、行っちゃおう!』
「はい! あ、先輩、俺が袋持ちます」
『ありがとう、五色くん』
素直に袋を渡すと、五色くんはちょっと誇らしげに、同時に照れたように笑った。
「工で良いですよ! 監督とか天童さんとかからもそう呼ばれてるんで」
私はあまり深く考えず頷き、居たことないけれど、まるで弟を呼ぶみたいに口に出してみた。
『工くん』
すると、五色くんもとい工くんは突然胸を抑えつけてうずくまった。
「ぐ、ぐはぁっ……」
『ええっ!? 大丈夫?!』
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きりんりん(プロフ) - 道化師さん» ありがとうございます!!言葉選び……そこまでしっかり読んでくださってるのですか!!嬉しいです!!ありがとうございます!!( ;∀;) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - ねこ。さん» ただいま帰りました!ありがとうございます!!とても嬉しいです……これからも頑張ります……!!(TдT) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 雪音さん» 無事帰ってこれました!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします(*^^*) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
きりんりん(プロフ) - 彩夏さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!(*´∀`) (2018年5月27日 14時) (レス) id: ab681eea32 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - お帰りなさい!!私はこの作品と作者様が大好きです!!自信を持ってこれからも頑張って下さい!! (2018年5月27日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりんりん | 作成日時:2018年4月4日 23時