#訓練 ページ9
.
.
てっきり、私を裏切り者だの薄情な奴だの毒を吐かれるのかと思っていた。
実際、私はそんなクソ野郎だ。
けど、違った。
彼女は杏香と親しいながらも、それでも私の身も案じてそう心配してくれた。
………もう、頭上がんないじゃん。
こんなに泣きたくなったのも、
また頑張ろうって思えたのも久しぶりだよ。
「……ありがとうございます」
感謝してもしきれない。
嗚呼、鬼殺隊に入って本当に良かった。
そう出てきそうな涙を必死に引き留め、彼らの元へと笑顔で向かう。
「炭治郎くん!元気だった?」
そう声を掛けると、赤い頭はピクッと反応したように動いた。
一緒に話していた金髪の子と猪頭の子も、何事かと振り返る。
「Aさん!ご無沙汰してます!」
「ここで何してるの?訓練?」
「はい、怪我で長らく動けなかったので、その機能回復訓練をしているんです!」
元気溌剌と答えた炭治郎くんは、見ないうちにまた大きくなっていた。
育ち盛りだなぁ、と思いつつ隣の彼らにも話しかけてみる。
「君たちの名前は?」
「あっ、あが、我妻善逸です!」
「俺は嘴平伊之助だ!お前を子分にしてやるぜ!!」
うん、たんぽぽくんと猪くんね。
いや可愛いな。
こんな癒されたのいつぶりよ。
「おい伊之助!こんな美人な人に何てこと言ってんだよ!」
「そうだぞ、この人は柱の方なのに」
「……え"っ」
たんぽぽくんが、「こんな人が?え?」という目で見てくるためクスリ笑ってしまう。
すると、たちまちゆでダコのように顔が真っ赤になり照れてしまった。
え、え、めっちゃ反応好きなんだけど。
「柱!?じゃあ俺と勝負しろ!!」
そして、そんなたんぽぽくんもお構い無しに猪くんが挑戦状を叩きつける。
そんな姿に、私の母性心は擽られるばかりだ。
「いいよ、やろ」
断る理由など有るはずがない。
260人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時