私が牛乳を飲む理由【北信介】

13パック ページ14

侑side




なんでAさんをいきなり抱きしめたんやろうか。





Aさん言うてたやん。


サムに返事せえへんのは友達としての今の関係が好きやからって。



崩れるのが嫌やからって。





なのになんで俺は。




今歯止めがきかんようになったんや？





今までうまく隠せとったやないか。


知りおうたときも、
北さんのために身長伸ばしとる時も、
アランくんと付きおうとるかもしれんってなった日も、

サムが告白した日も、


全部全部うまく隠せとったやないか。



それやのに何で。





侑「Aさんがつらそうにしとるの見るの、



俺がつらい。」








『…あ、つむ、くん？』







最後の最後、隠せへんのやろう。







侑「Aさん。




俺、Aさんのこと好きや。」








『…。』


俺は抱きしめたまま告白した。


Aさんは黙ってる。



俺の胸の辺りにあるAさんの顔は見えない。






けど、









Aさんが泣いとるのだけは分かってしまった。






『ご、めん…。』








嗚咽混じりに吐いたその言葉は俺の頭の中にこだまして。





Aさんは俺を置いて、行ってしまった。









．



．



．









侑「…Aさんの言う通り。やっぱ性格悪いわ、俺。」







好きな人泣かしてしまうくらいに、性格悪いわ。

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