45(輪虎side) ページ5
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「そんな昔の事……忘れたわ…」
「それは嘘だ。さっき思い出したはずだよ」
僕がA―――と呼んだ時に。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「姫、今日の剣はここまでにしよう」
「えー……今日はちょっと終わるの早くない？」
「僕は明日から殿と遠征なんだ。朝が早いんだよ？遅刻したら殿に怒られちゃう」
姫を拾った後、ほぼ毎日簡単な剣の稽古をつけていた。
そんなある日、遠征を告げると姫は酷く切ない顔をした。
「………私も連れてって」
「＿＿＿＿え？」
「ここにいたって1人だもの…」
「それは大丈夫だよ。僕の護衛を置いていくから。襲われることもない」
「違うの！！！」
それは今思えば…最初で最後の姫のワガママだった。
「…………私貴方ともっと一緒にいたい。
連れてって、私を」
「……！！」
少し紅潮した頬に、
不安と熱が入り乱れた眼差し＿＿
驚いたな……
今まで子どもだと思っていたのに、
こんな大人びた顔ができるなんて＿＿＿＿
「……、A……」
「………連れてってよ…輪虎…」
「連れては行けない」
「どうして…？」
「君が大事だから連れては行けない」
結局僕は姫を置いて遠征に行った。
自分の隣に置いておくうちに、こんな情が沸いたのか、
いや、最初に彼女を見た時からか…
【失いたくない】
そう思い始めたのはいつからだったろう＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「姫、僕が殿に拾われたのは天の計らいだったと思う。
僕が君を拾ったのもきっと天の計らいだ」
「………」
「そしてまた出会ってしまったのも、きっとそう」
僕が心に抱えているものを…言えなかった想いを告げよ という天の思し召しではないのか。
雨はまだ降り続いている。
姫は 唇を噛んで僕を見据え、涙をこらえている。
賢い君はもうわかっているんだろう。
初めからお互い想いは同じだったのに、離れる運命になってしまったということを＿＿＿＿
最後に君に会えてよかったよ、姫。
「これで本当にさよならだ、A」
僕は剣を振り下ろした。
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kiko(プロフ) - 綿菓子さん» コメントありがとうございます^^ ついに蒙恬が…というとこまで来ました。ここからしばらく蒙恬の出番が…笑 また遊びに来てくださいね！ (2019年9月6日 8時) (
レス) id: d068c2b01b (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - いえいえ！返信してくれるだけで嬉しいです^^休日の日は家でゴロゴロしながら見てましたwついに汗明が…！！っとあの事を思い出すと殺気が…ww更新頑張ってください♪ (2019年9月2日 15時) (レス) id: 80159fc2f2 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - 綿菓子さん» コメ返＆更新遅くなりすみません；休日いかがでしたか？^^ 楽しく読んで頂けていたら幸いです♪また遊びに来てくださいね！ (2019年9月2日 8時) (レス) id: d068c2b01b (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - こんばんは！今日から休日ですね！ゆっくりとお話が読めるので嬉しいです^^更新頑張ってください♪ (2019年8月30日 21時) (レス) id: 80159fc2f2 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - 綿菓子さん» 魅力的なキャラが多いですよね！蒙恬のこの後のシーンは辛いですよね…どうなるかお楽しみに♪更新頑張ります！ありがとうございます^^ (2019年8月27日 19時) (レス) id: d068c2b01b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiko | 作成日時：2019年7月12日 21時
