お世話係、実家のコト。 ページ24
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「兄貴だろ」
珍しく低い声で翔くんが言った。
その言葉に全身を揺らしてしまって。
「「マジか…」」
２人が小さく呟いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あの事件は、結構ショックで。
一緒の職場が嫌で、仕事を辞めて。
暮らした部屋は辛くて、実家に帰って。
人に会うのが怖くなって。
なんでか、部屋から出られなくなった。
その時期を支えてくれてたのがリョウと家族で。
少しずつ外に出られるようになって、アルバイトを始めながら転職活動も出来るようになって。
リョウのお陰で笑えるようになってた、ある日。
家族もリョウも出掛けていた、その日。
兄が、兄じゃないみたいな顔をして。
リビングで私を抱きしめた。
その時、彼が話していた内容は。
今でも、忘れられない。
今までも散々虫除けしてたのに、
って何？
同僚の彼女に頼まれて協力した、
って何？
我ながら計画通りで笑ったよ、
って何？
目の前が滲んで、
頭も上手く働かない。
ソファに押さえつけられて、
胸を押す手に力が入らない。
目の前の、知らない男の人は誰？
視界の端に映ったのは、
リビングに飛び込んできたリョウで。
私に馬乗りになっている、自分より体格の良い男性を押しのけて、殴りつけると。
私を引っ張り上げて立たせて、腕を引いて外に飛び出して、リビングの扉を思いっきり閉めた。
しばらく走って。
子供の頃から見慣れた公園につくと、ベンチに２人で座って、２人で肩を上下に揺らして。
その間、私の右手は繋がれたままで。
リョウの右手には、リビングに置いてた私のバッグがいつの間にか握られていて。
それを見ている私に気が付いたリョウは、いつもの笑顔でニッコリ微笑んで。
リ「財布とケータイ、この中？」
印鑑もあるよ、って言ったら。
リ「じゃあ不動産屋、見に行こう」
なんて事を普通の会話みたいに言った。
それからは。
信頼できる先輩にお願いして。
１人暮らしの生活に戻って。
居場所が見つかると引っ越して。
リョウに迷惑をかけてはいけない、
父と母に心配をかけてはいけない。
そんな気持ちから、実家にはあまり連絡を取らない生活を続けていて。
あのお店に辿り着いた。
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黒衣(プロフ) - dswkmaiさん» コメントありがとうございます！わぁぁ！嬉しいです( 〃▽〃) 「今までにない感じ」←コレ最強に嬉しいです！楽しんで頂けるように頑張ります！( 〃▽〃) (2016年6月16日 23時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
dswkmai(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく見させて頂いております！ドキドキ感とワクワク感が今までにない感じでとっても面白いです！これからも楽しみにしております!!!! (2016年6月16日 22時) (レス) id: 4b4ca81c6c (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - カリンさん» わぁぁ！ありがとうございます！！コメント嬉しいです！( 〃▽〃)楽しんで頂けたなら嬉しさ倍増♪頑張ります！ (2016年6月13日 7時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - はじめまして！一気に読ませていただきました！とっても面白い！！そして、みなさま可愛すぎ！更新、楽しみにしてます！ (2016年6月13日 0時) (レス) id: 2f19a53cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2016年5月21日 1時
