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結局、おれは腹を括るしかなかった。
どうなんのか想像もつかねえけど。
それでも、Aがおれを選んだことを、嬉しく思ったことは否定できんくて。
「……あんまり見ないで下さい」
シャワーを浴びて、おれの前に立ってるAは……すっぴん、ってやつで。
「……けしょーってすげえ」
「殴りますよ」
「いやっ、いい意味でっ」
あんなに翔くんに似てると思ってたAは、ちゃんと見たら全然似てなかった。
え、女の人ってそんなに苦労してんのって疑問でぐるぐるしてたおれに、渋々Aは白状した。
「以前、センターから派遣されてきた方が、先生にどんな顔が好みか質問していたのを聞いてしまったことがあって」
「……なんも覚えてねえ」
「目がぱっちりしてて、ほっぺふっくらしてて、唇ぷるんってしてて、くるくる表情が変わって、思いっきし笑う……って、仰ってました」
「それ翔くんじゃん」
「はい、お断りの常套句だというのは分かっていたんですが……少しでも好ましい見た目の方が良いかという結論に思い至りまして……」
高性能メイクマシンを相葉さんに頂きました、とことの顛末を話してるAは。
おれに慣れ始めて、おれに対してはいろんな表情を見せるようになった……警戒心なくなってきた頃のAと同じ顔してて。
「……んふふっ」
「いや、櫻井教授と同じ顔面を目指そうなど烏滸がましいにも程があるとは重々承知でしたが、先生が好みだと仰るならと、思い、まして……」
「おめぇ……んふふっ」
「これでも努力してたんですよ、慣れないメイクをイチから教わって、メイクマシンを使いこなせるスキルも学びましたしっ」
化粧して背筋伸ばしてまっすぐ前だけ見てるいつものAが欠片も感じられなくって。
大人にナイショでイタズラしてたのが見つかっちまった子供みてえな顔して、口尖らせて俯いてて。
そんなAを見てたら。
心ん中が、いっこだけになって。
あぁ、愛おしいなって。
気が付きゃあ、腕を伸ばしてAを引き寄せて、かっちこちになってる体を抱きしめてて。
抱きしめて初めて分かる体の柔らかさだとか、頼りなさげな肩だとか、そういうのが女の子で。
Aが他のヤローになんかされてなくて良かったな、とか思っちまって。
気付けばクスクス笑いすら漏れちゃってる状態だった。
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黒衣(プロフ) - あいさん» わ〜い！コチラにもいらっしゃいませ〜！リアル設定が全く書けない分、イメージ膨らませるお話が多めとなっております(笑) 楽しんで頂けているようで良かったです♪ 最初に野生児化してしまってどうしようかと思いましたが、何とかまとまって一安心＆安定の溺愛(笑) (2018年7月7日 0時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - やっとこれました(汗)こういう現実離れしたお話大好き♪自分では書けないから惚れ惚れしてしまう。そしてニノちゃん…野生児から愛する主人公ちゃんになってよかったわ。ニノちゃんの溺愛が目に浮かんで…(ふふふっ） (2018年7月5日 5時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - みーこさん» きっとマスター時代の名残か、向こう側にいる人の察する能力の高さか、どちらかでしょう(笑) (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 橘花さん» わー！そう言って頂けるととても嬉しい！周囲に人間がいなかったのでね、野生児化しちゃいました(笑) きっとマスターはロマンチストだったんじゃないかという想定でした。そしてわんこはわんわんしないと(笑) 続きも頑張りますね！ (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - しろさん» 楽しんで頂けて良かったです♪ 私もカタカタしながら「コレどうなるんじゃい」と思ってました(笑) 最後は私安定のアレでしたが(笑)、楽しんで頂けて良かったです！ (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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