◇9 ページ13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『え、いや……』
「……だからシカトしてたワケ？」
『え、あの、にの……』
「だったらそう言えよ」
二宮君は、やっぱり勘違いして。
訂正したくても聞いてくれなくて。
慌てる私を余所に、ふぅ……と息を吐いた二宮君は、首の後ろを搔きながら床を見て。
パッと顔を上げた時には。
いつもの二宮君になっていた。
「……いいよ、渡したげる」
『……え？』
「そん代わり、渡したらさ、ご褒美、ちょーだい？」
『え、なに……』
「とりあえず渡しとくけど、さ？」
その瞬間。
ギュッと鼻を掴まれて。
目の前に。
キラキラした瞳の二宮君。
「俺、お前のこと好きだからね」
そう言って、ニッコリ笑って。
くるりと体の向きを変えると。
村上君のクラスの方に歩き始めた。
『…………は…………？』
今、なんて？
呆然としている私をそのまま。
歩いていた二宮君が、何かを思い出したようにピタリと立ち止まって、くるりと私の方を見て。
ニヤリ、と笑った。
「A〜！」
手に持ったラブリーな封筒をヒラヒラさせると、封筒の方に視線を向けて。
「もしかしたらさ〜！渡すの、イヤになっちゃうかも〜」
『…………へ』
「もしかしたらさ〜！コレの中身〜、気になって気になって見ちゃうかも〜」
『…………はぁ！？』
「なぁ〜んてねっ！」
『ちょっ！ちょっと！待って！』
結局、追いかけっこになって。
二宮君は、私がムキになって追いかけてくるのを楽しみ始めてしまって、友達の手紙をなんとか村上君に渡すことが出来たのは……その日の放課後。
「……んふふっ」
その後、みんなが帰った教室で、私を腕の中にすっぽり収めた二宮君が、とても満足そうに笑っている現状は、彼曰く『ご褒美』というヤツらしく……。
「ね、返事は？」
『……分かってるクセに』
「俺、お前に告ったんだけど？」
『……分かってるクセに』
「んふふっ」
『……先に言ってよ』
甘〜い甘〜い、とろけたみたいな舌っ足らずな話し方に。
「A、好きだよ」
目の前には。
キラキラした薄茶色の瞳と。
くるんと綺麗にあがった口元。
その口元が、ちゅっ……と小さい音を立てて、私に触れた。
◇in case of yellow◇END…
◇in case of purple @2017/08/30→←◇8
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黒衣(プロフ) - のりさん» こんばんは＆お疲れ様です！良かった！のりさん、いらっしゃってくれた！年明け早々怒涛だったんですね…お体ご自愛下さいね？そして私もアホな子と言われたい(←書いた人) もういっその事、一緒に言われちゃいましょう！(笑) (2018年1月27日 2時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - こんばんは。お疲れ様です。とっくに明けましておめでとうございます。年明け早々怒濤の日々。時間見付けてアレもコレもよ読ませて頂いてます。そして本日愛してやまない彼の誕生日。私もアホな子と言われたい。と思ったのでした… 笑 (2018年1月25日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» こんばんは＆お疲れ様です！わわっ、そうなんですね！確かに自分の事なら何とかなりますけど家族や誰かの事となると…(涙) 落ち着くことを祈りつつ、高校生ニノ楽しんで貰えてよかったです♪ゆっくり出来るようになったら楽しんで貰えるように頑張りますね！ (2017年6月23日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - こんにちは。お疲れ様です。追い付いてないの。１ヶ月ほどﾊﾞﾀついてる。自分のことならどーにでもなる。が、人や家族のことは(泣)やっと読めた高校生なｶｽﾞﾅﾘくん。好きです。てか！誰か！私に時間をくれ〜！( ；∀；) 失礼、取り乱しました。 (2017年6月21日 17時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ありがとうございます！コメント頂けるの、とっても励みになります(*'ω'*)♪ 次回も楽しみにして下さってありがとうです！頑張りますね♪ (2017年6月20日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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