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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「大野先生と櫻井先生って、思ってたよりも仲良しなんですね……ちょっと意外かも」
大野先生に頼まれた仕事を片付けながら、「じゃあね智くん！」と女子みたいに両手を振りながら準備室を出て小走りで帰って行った櫻井先生を思い出す。
２人が一緒に廊下を歩いてるところを見掛けた事はあるものの、みんなと違って先生達のファンじゃない私は、注意して関係性を見た事が無かったんだと気付く。
「あぁ……高校ん時から知ってっからなぁ……そんで付き合い続いてんだから仲イイんじゃねーの？」
「……へぇ？高校からなんですか？」
「しょーくん、高校ん時から頭良かったからなぁ……学校のセンコーには勿体ねぇ気もすっけど」
「……センコーって」
分厚い本をパラパラと捲りながら、眉間に皺を寄せて唇を尖らせながら、視線は左右に忙しなく動かしていて。
時折メモ書きなんかをしながら真剣に何かを考えている横顔が、少しだけカッコ良く見えた。
そのまま黙ってしまった大野先生は、きっと目の前の分厚い本に集中し始めている様子で、こうなると声を掛けるだけだと彼の耳には届かない。
頼まれた仕事は終わってしまったし、集中してるみたいだから声を掛けるのも憚られて、なるべく音を立てないように腰を上げて。
私が使っていた机の上に雑に放られていた鍵を、こっそり手に取ってポケットにしまった。
そっと準備室を出る前に振り返ってみたけれど……案の定、彼は自分の世界の中に入ってしまっているようで、そのまま廊下を進んだ。
廊下を歩きながら聞こえてくるのは、吹奏楽部が練習しているであろう音楽と、グラウンドで汗を流しているサッカー部と野球部の声。
そんな音や声を聞きながら、部活でもやっていれば、ちょっとは違った学校生活になったのかもしれないな……なんて思いながら。
クラスメイトから聞いた、文化部も運動部並みに大変だという話を思い出して……やっぱり自分には向かないな、なんて思い返して。
周りに人がいないのを確認してから、屋上への階段を上がった。
カチャリ……と鍵の開く音。
そっと扉を開けば。
ざぁ……と吹き込んでくる風。
そっと扉を閉めて、屋上に踏み出せば。
そこは、私が私でいられて、私が私じゃなくていい場所で。
すぅ……と大きく息を吸い込んで、目を瞑った。
◇25 (2021/08/08)→←◇23 (2017/07/01)
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すりおろし梨。(プロフ) - 何？ 大野先生 何？ (2021年9月7日 8時) (
レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» すぐ飛んできて下さったのですか！ありがとうございます！そして待っていて下さってありがとう。そう言って頂けてホッとします。楽しんで頂けるように頑張ります＆楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - aracick5963さん» コメントありがとうございます！一気読み、嬉しいです。こんなゆるゆる先生いたら懐いたのにな〜と思いながらカタカタしております(笑) そして黒大野先生をご所望なんですね(笑) 出るかどうかお約束出来ませんが楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» と平静を装っておりますが。え！？のりさんじゃん！わーい！！覚えててくれたんだー！と、めっちゃ喜んでおりました(笑) このお話もお楽しみ頂けたら嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» お久しぶりです！忘れてませんよ！こちらこそ忘れずにいて下さってありがとうです！私の拙いお話を喜んで下さって本当に嬉しいです。お待たせしてすみません。待って下さってありがとう┏〇)) (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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