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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……だからって、なんでココに」
「んなの、おめぇがおれの手伝いしょっちゅうしてんの知ってるからだべ？」
廊下で呼び止められた私は結局、大野先生に連れられるように数学準備室に来ていた。
大野先生曰く、櫻井先生がそこで待つように言っていた……らしい。
コポコポ……と、大野先生がカップに注いでいるコーヒーの良い音がして、香ばしい匂いが鼻先を掠めていく。
ふぅふぅ……と息を吹きかけて冷まそうとしている様子なんて、まるで私達と年齢も変わらないように見えて。
あちちっ……と小さく呟いて小さく舌打ちしている様子なんて、まるで私達に何かを教えている人には見えなくて。
何を話す訳でもなく、かと言って私にコーヒーを淹れてくれる訳でも無く……コーヒーを啜りながら気の抜けた表情をしているところなんて、もはや……。
「……おめぇ、ろくでもねぇコト考えてんだろ……しつれーなヤツだな……」
「……何も言ってませんよね」
「おめぇのコトなんて、もう雰囲気とか目で分かるわ……分っかりやすいヤツめ……」
「…………」
「どーでもいいこと考えたりやってるヒマあんなら、もっとしょーらいのことでも考えれば？」
いかにも『眠いです』みたいな口調で言われても、私が納得なんて出来る訳もなく。
早く櫻井先生、来てくれないかな……なんて考え始めた頃に、廊下からバタバタと忙しない足音が聞こえてきて。
「しょーくん、おせえよ……」
溜息交じりに呟きながら、小さい冷蔵庫の中からミネラルウォーターを取り出した大野先生が入口を振り返ったのと一緒に、勢いよく準備室の扉が開いた。
「ごめんっ！お待たせ！」
「やっぱ汗だくかよ……ほれ、コレ飲んでちっとは落ち着けよ……」
「ごめん……ありがとね」
雑に扉を開けたのは、大野先生の予測通り、櫻井先生で。
眉毛を八の字にしながら『あはっ！』と笑う表情は、私達が普段見ている櫻井先生とは少しだけ違う雰囲気に見えた。
髪は少し乱れてるし、ネクタイも少し緩めてるし、なんなら少し汗もかいてるのが見えるというのに……この爽やかさは一体どこから生まれてくるのだろう。
そんな事を考えていたら、パタパタと足音を鳴らして大野先生の傍に向かった櫻井先生は、まるで少年みたいな瞳を大野先生に向けていた。
◇23 (2017/07/01)→←◇21 (2017/06/11)
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すりおろし梨。(プロフ) - 何？ 大野先生 何？ (2021年9月7日 8時) (
レス) id: 2a65575bc9 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» すぐ飛んできて下さったのですか！ありがとうございます！そして待っていて下さってありがとう。そう言って頂けてホッとします。楽しんで頂けるように頑張ります＆楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - aracick5963さん» コメントありがとうございます！一気読み、嬉しいです。こんなゆるゆる先生いたら懐いたのにな〜と思いながらカタカタしております(笑) そして黒大野先生をご所望なんですね(笑) 出るかどうかお約束出来ませんが楽しんで頂けたら嬉しいです。 (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» と平静を装っておりますが。え！？のりさんじゃん！わーい！！覚えててくれたんだー！と、めっちゃ喜んでおりました(笑) このお話もお楽しみ頂けたら嬉しいです！ (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» お久しぶりです！忘れてませんよ！こちらこそ忘れずにいて下さってありがとうです！私の拙いお話を喜んで下さって本当に嬉しいです。お待たせしてすみません。待って下さってありがとう┏〇)) (2021年8月24日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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