◇113 ページ15
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
Ｓ「一回、本気でぶつかってみれば？」
ぱく…と形の良い櫻井さんの唇に、さきいかが吸い込まれていくのをただただ眺めていて。
Ｓ「砕けたら砕けたで、くそほど泣けばいいよ、ウサギちゃん」
む、と突き出た唇が。
「めんどくせえな」と言っているみたいに見えて。
Ｓ「そん時はお前の逃げ場になってやっても良いよ？…ウサギちゃんとして扱うかどうかは保証しねえけど」
俺もそろそろ人肌恋しいしね〜、っていう櫻井さんの言葉が。
言い方が軽いからか、いつものふざけた会話の延長みたいに感じたけれど。
Ｓ「ま、全部はお前次第じゃね？」
そう言って私にチラリと向けられた視線が、やけに男の人に感じて。
「……何言ってるんですか」
Ｓ「あれ？忘れちゃった？俺ね、プライベートじゃ少しばかりおかしい思考回路してるみたいで」
「……存じ上げておりますが」
Ｓ「だからね、お前にオンナの部分なんて見つけたら、後は簡単だと思うんだよね」
「………は？」
やけに男の人だった視線は、次の瞬間には、ものすごく子供っぽい悪戯っぽいモノに変わって。
Ｓ「まだ見つけた事ねえけど」
「……………」
ガックリと項垂れる私に、あははっ！と楽しそうに笑う櫻井さんは少し酔ってるのかもしれない。
Ｓ「いつか見つかるのかな？いつか見つけられるのかな？お前のオンナな部分」
「ペット歴何年だと思ってるんですか…今見つかってないならもう無理でしょ」
Ｓ「あ、やっぱそう思う？奇遇だね、俺もそう思ってたトコなんだよね」
わしゃわしゃと私の頭を撫でる櫻井さんは、やっぱりご機嫌で。
Ｓ「自信持ちなさい」
「……………」
Ｓ「大丈夫、お前は可愛い」
俯かせてた顔を上げれば、目の前には、ふわ…と優しく微笑むご主人様。
ちゅ…と、その唇が触れたのは。
ご主人様が私の髪を掻き上げて、丸出しになった私のおでこ。
Ｓ「……おまじない」
「……さくら、いさ…」
Ｓ「お前は大丈夫、やれば出来る子」
すっ…とそのまま櫻井さんの指が私の髪を滑り下りていって。
Ｓ「ダメだったら、ココで泣け」
く…と髪を引かれた先、私はぽすんと櫻井さんの肩に顔を埋めながら。
この人がご主人様で良かったと思う私は、やっぱりバカなのだ。
◇114 (2017/03/18)→←◇112 (2017/03/17)
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やっち(プロフ) - お互い好きだったんですか！？凄く甘々になって羨ましい〜 (2022年3月29日 22時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 随分前に読んでから好きで、最近ふと読みたくなってまた来ました。大好きです。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 2cd5a2ef25 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ebi信号さん» コメントありがとうです^^ 電車で読まれてのですね(笑) 私もこの翔さんには可愛がられたいのでお気持ちお察しです(笑) 楽しんで頂けたようなので本当に嬉しいです。他作品へのコメもありがとうございます！^^ (2019年10月12日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - はい、ダメー。電車で読んじゃダメなヤツー！じわる涙我慢してたのに『くそ可愛がって貰え』って言葉で本気でウッって声が出ちゃったよ。隣にいた大学生の不審な目！もぉーやだ。お家帰って、もっかい読みなおしますー。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 15817c11d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 夏鈴さん» 楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ …って１日で！？それは有難いやら恥ずかしいやら…(笑) 私の想像＆妄想の世界を楽しんで頂けてホッとしています。そしてある程度のエロも欲しいよねと握手を交わせそうです(笑) (2018年8月22日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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