◆41 (2017/07/29) ページ41
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『忙しい』とは、心を亡くすとは言い得て妙……成人して何年も経って、いい大人だと思ってた俺にとって、忙しいのは良い事だと思ってた。
いや、思い込んでた。
気が付けば、雅紀に元気がない。
ってか、おかしい。
いや、おかしいのは昔からか？
全力で遊ぶ子供みたいに仕事に集中してるかと思いきや、魂抜けたみたいに口をあんぐりさせたままボーっとしてたり、かと思うと口をへの字にして唇噛んで泣くの堪えてるみてえな顔したり。
動揺するにも程がある。
何かあったのかと少し探ってみれば、何かあったどころの騒ぎじゃなかった。
「……ソレ、マジなの？」
斗「マジもマジだよ……店も松兄も姫も大変だったんだよ……翔さんはもう店から抜けてたからさぁ、詳しく話すにもアレだし？」
斗真はデカい溜息。
俺もデカい溜息。
まさか雅紀があの『姫』のお相手とは……『姫』と言えば、松兄が猫可愛がりしてて、下手な野郎が手を出そうモンなら、この世から抹殺しかねない位だというのに。
その『姫』と付き合ってたわけじゃないにしろイイ感じになってて？
もうそろそろくっつくんじゃねえかっつうタイミングで『姫』が客に刺されて？
『姫』の今後を気にして、もう会いません宣言？
しかもどう見てもお互い好きなのバレバレで松兄も暗黙の了解みたいにしてる？
ナニソレ？
斗「しかも達也さんトコにいるんだよね」
「誰が？」
斗「姫が」
「……マジで？」
ある意味見張りじゃん！って俺の言葉に斗真は小さく笑って「その通り」ってビールを呷って。
一歩間違えば同僚になってたのか？とか、もしかしてその方が雅紀の為に動けたんじゃね？とか、今更考えてもどうしようもない考えばっか浮かんでくる。
雅紀は最初から相手が『姫』だって知ってたのか？とか考えてたら、俺の足が向いてたのは潤が働いてるニノの爺ちゃんの店で。
Ｍ「翔さん、暫く来てなかったから知らなかったか〜。カズから聞いてるかと思ってたんだけど」
「あんのやろう……」
俺はデカい溜息。
潤は苦笑い。
婆ちゃんの部屋に、いつの間にか爺ちゃんが連れてきた新しい住人？
ナニソレ聞いてないんですけど？
婆ちゃんが死んでからずっと雅紀が住みたい！貸して！って爺ちゃんにお願いし続けてた部屋だよね？
俺、口にかき込もうとしたスプーン落としたよね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 772人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
