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たまにしかニノの爺ちゃんの店にも来れなくて……いや、忙しさを理由に訪れていなかっただけで。
この場所はいつも俺を温かく迎え入れてくれる。
そんな事に気付いた社会人３年目。
ニノがウチの会社に入ってきた。
「言えよ！！」
Ｎ「んふふっ……驚いた？」
「驚くもなにも……」
Ｎ「しょ〜うちゃ〜ん？」
「……あぁ！！もう！！」
Ｎ「な〜あにぃ〜？」
「驚いたっつうの！！お前、この業界目指してたの？俺全然聞いてないし初耳だし言ってくれたら何か手伝える事だってあっただろうになんでお前なにも言わな」
Ｎ「まぁまぁ良いじゃない、これから宜しくね先輩？とりあえず昼飯連れってってよ櫻井さん」
「…………」
所属してる部署は違っていたけど、ニノを総務に配属した上司の采配だけは褒めたい。
アイツ、なんだかんだ周囲を見てるし、人と違った視点も持ってるから気付くの早いし、ひとつの事に集中したい俺とは違っていくつもの事を同時進行可能だし。
最初のうちは会社の慣例とか覚えんのに集中するだろうけど、他の新人なんかよりも使えるヤツに育つのも早いと思うんだよね。
……なんて。
ニノは心配したって無意味。
割と自分で何とかしちゃうし。
俺も後進の指導とか担当するようになってきてるから、今後の自分についても考えなきゃいけねえ位置にいることだけは間違いないし。
とか考えてる間の数年なんて、本当にあっという間で。
俺は俺で責任ある立場になっちまったから、仕事は仕事で充実しててやりがいもあって。
気が付いたらニノは「大野智担当総務」みたいなポジションを特例で手に入れちまう位には仕事バリバリのヤツになってて。
潤もニノの爺ちゃんから本格的に店を任されるようになってて、雅紀もヒーヒー言いながらもファッション業界の営業として駆け回ってて。
日々変わっていく毎日の中で、少しずつAさんを諦め始めていたのは間違いなくて。
「どうせ見つからないだろう」
「どうせ情報なんて手に入らない」
彼女を探してる時も、俺の頭ん中はそんな感情で埋め尽くされるようになって。
やっぱり思ったような成果が得られない事に……本当に少しずつではあるけど、現在進行形というよりも過去の思い出になっていって。
「何も出来ないガキ」な「俺」だけが、心の中に居座り続けることになるんだ。
◆41 (2017/07/29)→←◆39 (2017/07/26)
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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