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ちゃんと自力で体を起こしたり、自分の意思で動いたり、トイレ行ったり出来るようになったのは。
あのギターを背負った男に拾われてから、３日も経った後の事。
「……おはようございます」
ベッドに腰掛けながら、部屋にいた男性に目覚めの挨拶をすれば。
それは最初に俺を拾った男とは全く違ったタイプの人で。
ふんわり優しく微笑む、どちらかと言えば寡黙な方だろうというのが雰囲気から伝わってくる。
だから、きっと俺も、警戒心ゼロで挨拶なんてしてしまったんだろう。
？「体調は？…熱は下がってんね」
「あの…ご面倒お掛けしました…」
？「ふふふ…ええよ。飯は食えそう？」
「……え？あ……」
己の口が返事を発する前に、腹の虫がぐるる…と自分の存在をアピールして。
おそらく真っ赤になっているであろう俺に微笑みかけた優しそうな男性は、キッチンに消えて行った。
この何とも言えない雰囲気の中、居たたまれなくなってキッチンに向かえば。
先程の男性が俺の為に飯を作ってくれているところだった。
？「病み上がりやからね、あんま胃に重いのはあかんかと思うてね」
「……お粥」
？「卵は平気か？」
「……はい」
？「ふふふ、座って待っててや」
知らない人に優しくされるのが、何だか居心地悪くて。
自分の頭を掻きながら、促されるままソファに腰掛けると。
そのタイミングで玄関が開けられて鍵を閉める音が聞こえてすぐ、リビングの扉が開いた。
？「おぉ！もう起きれんの？」
入ってきたのは、黒レザーのライダースを着て、髪を後ろに向けた固めた、肩で風切ってるみたいに歩く男性で。
顔を覗き込まれて後ろにのけ反った俺に、ククク…と拳を作った手で口元を隠して笑った。
なんだかバカにされたみてえに感じて。
「……なんだよ」
？「言い返す元気があんなら平気だな」
「……………」
？「寝てる顔は可愛かったのに、お前案外クチ悪いんだな」
？「ほらほら、絡むんじゃない」
１人用の小さな鍋を持ってきてくれた男性は、もうひとりの男を困った顔して窘めて。
ほいほ〜い、とその男は簡単に言う事を聞いて、俺の足元近くの床に胡坐をかいた。
「……………誰」
２人を交互に見て不審がる俺に。
今頃かよ！とレザーの男は笑う。
◆21 (2017/2/24)→←◆19 (2017/2/21)
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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