◆31 (2017/04/28) ページ31
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……ほんっと冗談じゃねえっつうの」
茂君に教えて貰った、松岡くんが知らない、それでいて来る可能性の極めて低い小料理屋で、小鉢を突いてビールを飲みながらくだを巻く俺。
「ほんっと面倒臭いんだよ、マジで」
結局、松岡くんの店のシフトコントロールもプレイ予定のスケジュール調整も、今まで俺がしていた仕事に上乗せされる形で丸投げ状態。
「……割と笑い事じゃないんだけど」
隣で俺の愚痴を聞きながらクスクス笑っているのは岡田くん。
Aさんを探しに何度か事務所に伺わせて貰っていた時、軽く仕事を手伝ったりフォローしたりしていた事で、俺を気に入ってくれたようで。
少しずつ話をしているうちに、彼が意外と骨のある男気溢れる人だというのが分かったから。
こうして時々一緒に飲んだりする位には仲良くなっていた。
岡「まぁ……本格的に社会人になったらさ、役立つこともあるんじゃねえの？」
「……どうだろ」
岡「どんな仕事でもさ、調整役のポジションに就く奴は重宝がられるだろ？」
「……そうだけど」
岡「意外とさ、その『松岡くん』って人も、それを見越して仕事を任せてたりしてな」
「やめてよ……」
こうして顔を合わせる度に、Aさんの情報は無いか聞く俺を、岡田くんは無下にすることも無く。
特に増える事も無い情報にがっくり肩を落とす俺を慰めるように、酒で紛らわせたい気持ちを察してか、付き合ってくれる。
彼が１つ年上で、以前俺がしていた仕事をしているという距離感の近さも相俟ってか。
今まで俺の周りには居なかったタイプではあったのだけれど、少し心を開いている自分に戸惑う事もあるものの。
おかしな年上連中と知り合って絡まれまくっている現状の癒しになっている事だけは、間違いない。
「……岡田くんこそ、いいの？」
岡「ん？なにが」
「俺に付き合ってばっかでさ……彼女とか、会いに行ったりしなくていいの？」
岡「あぁ……俺のお姫様はね、只今絶賛逃走中なんだわ」
「逃走中？なにそれ……」
岡「親が決めた許嫁なんだよね」
「……は？」
岡「だからさ、ガキの頃から一緒に居て、俺以外の相手なんて有り得ないと思ってたんだけどさ」
「……けど？」
その時に初めて、儚く微笑む岡田くんを見たんだ。
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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