◆13 (2017/2/15) ページ13
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
視線が、彼女の席に座ってる男に止まって、動かせない。
代議士先生の事務所には似合わない、目ヂカラの強い、小柄なのに喧嘩の強そうなガッシリした感じのソイツ。
どうしてお前が彼女の席に座ってんだ。
彼女の居場所はソコじゃなかったのか。
ほぼ八つ当たりな言葉を飲み込み、ジッとソイツを見ていれば。
スッと立ち上がり俺の前まで進んでくると、人当たりの良さそうな笑顔を浮かべた。
？「櫻井くんだよね、お噂はかねがね」
「どうも……あなたは」
？「僕、岡田といいます」
「……もしかして、先生の」
岡「父が、お世話になりました」
差し出された手を、素直に握り返す事も出来ず、コイツの手と顔を何度か見比べているうちに、先に諦めたのはコイツ。
そんな事をしている間に、俺達は他のスタッフに囲まれ、お茶を飲むかだのお菓子があるだの言われ始め。
ス「Aちゃんと良いコンビだったの、櫻井くん仕事も出来るから」
ス「Aちゃんと仲良かったのよ〜」
岡「Aちゃんと？そうなんだ…」
「……名前」
貴女の名前を親しげに呼ぶコイツに、怒りばかりが込み上げてくる。
同じ名字の先輩スタッフがいるから…とか、スタッフ全員名前で呼んでたじゃないか…とか、頭では分かっていても。
どうしてか、目の前のコイツに貴女の名前を呼ばれるのが心底気に食わない。
「……名前で呼ぶな」
岡「……え？」
「……いえ、なんでも」
岡「……そう？」
つい口走ってしまった事を、他のスタッフもいる状況が俺の心を少しばかり落ち着かせて。
そうして俺はまた、笑顔で作った仮面を被る。
「……あの」
岡「……はい？」
「Aサンの連絡先、ご存知ですか？ちょっと聞きたい事があって連絡を取りたいんですけど…」
岡「……………」
「……あの、岡田さん？」
瞬間、コイツの眉間に皺が寄った。
俺を怪しんでいるのか？
それとも…。
岡「申し訳ないんだけど、本人から聞いてないなら教える事は出来ないかな」
「……そうですか」
岡「とは言っても、俺もAちゃんとはもう連絡取れないんだけどね」
クイッと口元を上げて肩を竦めて見せるコイツから、嘘を言ってる様子は感じられなくて。
暫く雑談した後、俺はそのまま事務所を後にするしかなかった。
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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