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カズの笑顔を見て、ホッとして。
ハッと気付く。
『……あれ？でも、コレ、契約書って言っても、真っ白なんだけど……』
「うん、今はまだそうだね」
『……今は？』
「契約してもいいよ〜！って思ってくれたんなら、この紙にアナタの血をね、ちょちょいと垂らすの」
『……は？』
「そうしてくれれば、契約完了」
胡坐を掻いていた足を崩して、片方の足を立てると。
立てた膝に肘をついて、その掌に乗せた頬がぐにゃりと歪ませて、唇がツンと突き出ていて。
なんだか、かわいい。
「かわいいってなんだ！！」
『読むな！！』
「聞こえたんだよ！！」
『自分だけズルい！！』
「ズルいってなんだ！！」
目を細めて睨んでるみたいな顔になってるけど、どこからどう見ても、かわいいんだから仕方ない。
最初は怪しい人だと思ってたのに。
あ、人じゃないけど。
悪い人からは助けてくれるし、血は吸うけどそれ以外は割と普通っぽいし。
あ、普通じゃないけど。
人の懐に入り込むのが得意とか、意外と子供っぽいトコもあるんだとか、そういうタイプは人間にもいるんだから、違和感ないし。
なんだか私が構え過ぎていたのかな……なんて気持ちにすらなってしまっているのだから、私も誑されてるのかもしれない。
だから。
ほい、と。
彼に指先を差し出した。
「ん？」みたいに眉間に皺を寄せて、私の様子を伺ってる顔なんて、まるで豆柴みたいだったけど。
『……自分で切るのイヤ』
「あぁ、そういうコトね」
スッと細めた瞳が、ジワジワと金色に輝き始めて。
あぁ、綺麗だな……なんて思っている間に、くるんと上がった口の端から牙が見えた。
ペロリと自分の唇を舐めた彼からは、さっきのかわいさは欠片も見えなくなって。
ちろりと覗く赤い舌をゆるりと動かしている様は、妖艶で。
私が見惚れている間に。
彼の牙が、私の指をぷつりと刺した。
『……つっ！』
「んふふ……いい匂い」
いつもより少しだけ深く刺さった牙が抜かれると同時に、指先にはドーム型の紅いカタマリが出来て。
紙の上に指先を逆さに翳すと、ぽたっ……と紅い滴がいくつか吸い込まれていく。
そして紙には魔法のようにボワッと文字が浮かび上がって、みるみる形を成すソレは驚いた私を固まらせたんだ。
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黒衣(プロフ) - すいれんさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ 不定期更新ゆえ、お待たせしておりますが…(汗) 翔さんと歩美さんを気に入って頂けて嬉しい＆私もあのふたり好きなんです♪ また楽しんで頂けるように頑張りますね！ (2018年9月19日 2時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
すいれん(プロフ) - とても楽しく見させて頂いてます。次の松本さんの回がとても楽しみです！特にお気に入りのカップルが櫻井さんと歩美さんです。これからも頑張ってください！ (2018年9月15日 21時) (レス) id: a60a572cae (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» 小悪魔黒服サン、少し淋しい事を伝えてましたが…そんな事にならないと良いですよねぇ…。激甘でも振り回されても良いとは…(確かに！と思ってる)楽しんで貰えて＆私も好きな話なのでホント嬉しいです！(*'ω'*)♪ (2017年7月18日 13時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ぐちこさん» こんにちは！お待たせしてます(汗) 小悪魔さんが小悪魔してます♪彼の言葉選びは秀逸なので近付けられないのが心苦しいですが、するっと潜り込む術は私も欲しいです。そして私の所にも来て欲しいです(おい) (2017年7月18日 13時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 小悪魔…なんか少し淋しい事言ってましたね。記憶を消されるような事がおきなきゃ良いなと思います。とにかくあの小悪魔君が決めたオンリーワンなので、激甘でもいい！色々と振り回されても大丈夫！とにかくこのお話大好きです！ (2017年7月17日 20時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
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