◇10 ページ10
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『Aちゃんは、ああいう場所に居た事とか使った事とか、ある？』
相葉くんはそう言って、懐かしそうに児童館の方に視線を向けて。
年齢よりも随分と大人びた顔をした。
「……この間が初めて」
『そうなんだ』
「お兄ちゃんみたいな人が、いっつも傍に居てくれてたから」
『……そっか』
スッと私に視線を向けると、彼は何故か眩しそうな顔をしていて。
そういうの良いね…と小さく呟いた。
「……相葉くんは？」
『オレ？…オレはね、そこに超お世話かけてた！あの先生にも頭上がんないの！』
向かいの児童館を指差しながら、相葉くんは困ったみたいな顔をして。
『だからサンタ！』
「……あぁ！なるほど」
『もうね、超人使い荒いの！』
「確かに荒らそう…」
『でもね…なんか、こう…プレゼント貰う時の顔が嬉しそうでさぁ…オレも嬉しくなるっていうか』
子供達にプレゼントを渡した瞬間でも思い出してるのだろう。
彼は愛おしそうな嬉しそうな顔をして微笑んでいて。
「相葉くんが笑ってたら、周りの人はみんな笑ってくれそうだね」
何気なく言ったこと。
それでも本心だった。
その言葉に、相葉くんは動きを止めて。
『……だと、良いよね』
聞こえるか聞こえないか位の小さい呟きに、相葉くんの方を見ると。
淋しそうに微笑んでいて。
声を掛けようとする私を遮るように。
『コレ、ありがとね！オレ、もう行かなくちゃ！次会った時にお返しのお返しのお返し、するね！』
ひょい…とカフェオレを持ち上げて見せながら、傍らに置いていたバッグを持つと。
『Aちゃん、じゃあね！』
近くに居るのにブンブンと大きく手を振って、私に背を向けると。
児童館の中に吸い込まれる様に駆けていった。
その一連の動きが、私にとってはあっという間で。
返事をする間もなく私の前から消えてしまった彼に答える事も手を振る事も出来ず。
私の手の中にあるカフェオレだけが、温度を無くしていて。
ザァ…と吹きぬける風みたいに私の前から消えてしまった彼が残したのは。
心に引っかかるような気まずさと。
相葉くんへの気掛かりと。
ぽっかり空いたベンチの空間。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 392人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» まちゃきー！まちゃきー！(笑) 続き、お待たせ致しました┏○)) お仕事お疲れ様でした！今年１年素敵な年になりますように…♪ (2017年1月1日 0時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - megu_sさん» あけましてー(*^_^*) やっぱりそうでしたよー。達兄とも迷ったんですけどね、メインには動いて貰わないと(笑) 安心してもらえて良かったです♪ (2017年1月1日 0時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - まちゃきー！まちゃきー！店であってしまった二人。続きはいつまでも待ちます。黒衣さん、よいお年を！私は出勤です！ (2016年12月31日 8時) (レス) id: 060678365c (このIDを非表示/違反報告)
megu_s(プロフ) - おはよーございます(*´･∀･)ﾉやっぱり、まちゃきですか！もしかすると、たっちゃんのような気もしてたんだけど…まちゃきでよかった( 〃▽〃) (2016年12月31日 7時) (レス) id: c659f5c21f (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - megu_sさん» こんばんは(*^_^*)今回の更新で誰がヒーローだったか分かって頂けたかと…(。-∀-) 続きを楽しみにしてくれてありがとうです♪少し早いですが、良いお年を！ (2016年12月31日 2時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
