◇48 ページ48
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『ホントはね…Aちゃんが姫だって事、前から知ってたんだ…』
泣きそうな顔をした相葉くんがまた俯いて、そして話し始めたことは。
私も相葉くんも、お互いになんとなく感じててなんとなく居えずにいた事。
『なんて名前なのかは知らなかったけど、前に松兄の店で見かけた事もあったから…』
だからホントは近付くつもり無かったんだ…って、困ったように笑って。
やっぱりそうだったんだ…って、私も微笑んで。
「最初は相葉くんだった」
『そうなんだ…オレは姫の方だった』
「そうなんだ…昌兄に何か言われた？」
『……………(笑)』
「……言われたんだ(笑)」
あの店の常連になってる野郎連中はほとんど言われてるよ…って苦笑いされて。
その光景があまりにも簡単に想像できて、私も苦笑いするしかなかった。
『…プレゼントぶちまけた時は姫だって気付いてなかったんだけど』
「…だから手伝うって言った時に断ったんだね…そっか…」
『だけどね…図書館で会う様になったじゃない？…それで、話したりしてるとさ…楽しくて』
「うん…楽しいね…お店に来てること、聞いていいのか迷ってたけど…」
『……うん』
「なんか…図書館で会う相葉くんが、私の中の相葉くんっていうか…」
『……うん』
「お店のみんなが知らない相葉くんを知ってるのが嬉しいっていうか…」
『……うん、分かるよ』
「……分かる？」
上から覆ってた掌と指が、私の手をゆるゆると優しく撫でて。
ふわ…と離れたかと思うと、手の向きを変えられて、するりと指が絡められた。
『オレも、そうだから』
『オレ…Aちゃんに会えるのが、嬉しかったし…次に会える日が待ち遠しかった』
『一緒にいられるのが、嬉しかった』
キュ…と床を鳴らす音が聞こえて、繋いだ手から視線を上げると、相葉くんが椅子から腰を上げて。
空いてるもう片方の手で私の髪を優しく撫でられて、そっと前髪を除けると。
ちゅ…。
相葉くんの柔らかい唇が私のおでこに触れて、小さい音を鳴らして。
また。
困ったみたいに微笑んだ。
『ホント…会いたくて…会いたくなって…一緒にいられると…嬉しかったんだ…オレ…嬉しかっただけだったんだ…』
ねぇ、相葉くん。
どうして過去形なの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 392人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» まちゃきー！まちゃきー！(笑) 続き、お待たせ致しました┏○)) お仕事お疲れ様でした！今年１年素敵な年になりますように…♪ (2017年1月1日 0時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - megu_sさん» あけましてー(*^_^*) やっぱりそうでしたよー。達兄とも迷ったんですけどね、メインには動いて貰わないと(笑) 安心してもらえて良かったです♪ (2017年1月1日 0時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - まちゃきー！まちゃきー！店であってしまった二人。続きはいつまでも待ちます。黒衣さん、よいお年を！私は出勤です！ (2016年12月31日 8時) (レス) id: 060678365c (このIDを非表示/違反報告)
megu_s(プロフ) - おはよーございます(*´･∀･)ﾉやっぱり、まちゃきですか！もしかすると、たっちゃんのような気もしてたんだけど…まちゃきでよかった( 〃▽〃) (2016年12月31日 7時) (レス) id: c659f5c21f (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - megu_sさん» こんばんは(*^_^*)今回の更新で誰がヒーローだったか分かって頂けたかと…(。-∀-) 続きを楽しみにしてくれてありがとうです♪少し早いですが、良いお年を！ (2016年12月31日 2時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
