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Ａ「おいで、まーくん」
その声を合図にしたかのように、彼は身軽にふわりと舞い上がり、相葉の両足にポスンと乗る。
相葉は自分に体を預ける彼の背をゆるゆると撫で、最下層を見渡すかのように視線を上げる。
その瞳は黒目がちで、明かりの少ない最下層でもキラキラと光って見える。
両方の口元を上げ、微笑むような表情をしている相葉の瞳は、何を映しているのか彼には分からなかった。
Ａ「上島さん、何も無いといいね？」
フッと視線を彼に移した相葉の瞳からは、先程の仄暗い光は消えていて。
ただただ優しく彼を見つめるいつもの相葉に戻っていた。
彼は相葉の頬に自分の顔を寄せ、すりすりと頬擦った後、ぺろぺろと頬を舐めて小さく鳴いた。
Ａ「んふふ、心配なの？何かあったのか、帰ったら聞いてみるからね？」
暫くそのままゆるりとした時間を過ごし、その間も彼はまるで鼓動を聞いているかのように相葉に身を寄せたまま。
自身を撫でながら時折息だけでふふっと笑う相葉に、彼は心地良い温度を感じていた。
ポンポンと頭を軽く叩くようにして撫でるのがいつもの合図で、それを受けて彼は相葉の足の上から地上に飛び降りる。
ソレを確認すると相葉も樹の枝からひらりと舞い降り、バッグにしまっておいたリードを彼の首輪に繋ぐ。
Ａ「じゃあ、帰ろっか」
首を傾けながら微笑む相葉を先導するように、いつも通っている便利屋専用通路に向かう。
その場所は便利屋のみに伝えられ、幾重にも重なった壁と扉は専用の鍵が無ければ開ける事は出来ない。
ひとつひとつ鍵を開けては閉め、上層階に向かうエレベーターに乗り込むと、上昇する重力に慣れないのか相葉は眉を顰める。
彼はワフッと相葉の背中に乗り上げ、少し長くなった襟足の髪をハムハムと齧る。
ソレを嫌がる相葉の仕草が、彼には大変お気に入りなのだ。
ポン…と小さい音が鳴り、目的階に到着した事を告げる。
開いた扉の前を左右に横切る通路をいつも通り歩き、目的の部屋に到着すると呼び鈴を鳴らした。
部屋の中からくぐもった声が聞こえ、相葉が自分の名前を名乗るとゆっくりと扉が少しだけ開かれ、中から上島が顔を覗かせた。
その様子は、普段の上島には似つかわしくないものだった。
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黒衣(プロフ) - ジュンさん» 逝ってしまいましたね…ジュンさんのおっしゃるような存在だったと思うので、そりゃあね…書いてる本人が切なくなってましたよ…。ニノちゃんのいろんな場面で傍に居てくれるのは、出来うる限り翔さんが良いな…なんて思ってます。 (2016年11月14日 18時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - しのぶが逝っちゃった。ニノにとってはお姉さんのような母のような師匠のような、どれもそうで違うような、大切な人だったのにね。今回もつくづく翔ちゃんが居てくれて良かったです。 (2016年11月14日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 櫻さとみんさん» わ〜！ありがとうございます！朝から雪ですか！そりゃ寒い…Σ(ﾟдﾟ；)体調などお気を付け下さいね？そこそこな(笑)ムロ鍋美味しそうですよね♪た、多彩！う、嬉しい…(;Д;) 頑張ります！ありがとうございます！ (2016年11月5日 13時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻さとみん(プロフ) - 黒衣さま こちらも楽しみに読ませて頂いています。わが地方 朝から雪です(((・・;) 寒いです！ そこそこな(笑)ムロさんのムロ鍋 食べさせて下さい！ 多彩な黒衣作品 これからも楽しみにしてますね(^^)v (2016年11月5日 8時) (レス) id: 05f33a3645 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ムロさん、来ちゃいました。潤くん大好きですからね(笑) しのぶさん、こき使ってますしね。翔さんも潤くんもニノちゃんになんだかんだ甘い(笑) 楽しんでもらえてるみたいで嬉しいです(*>ω<*) ありがとうございます！ (2016年10月26日 1時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2016年9月13日 22時
