◇7 ページ8
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
おかしな新人に懐かれた…。
今年の春からウチの部署に配属された高橋。
ウチの会社に入れた位だからバカじゃないハズなのに、初歩的なミスをしては私に叱られて…を繰り返す。
めげずに叱っていた私が悪かったのか、それを自分への愛情だと勘違いされてしまったのか、至る所についてくる。
仕事のチェックや報告は私じゃなくても出来るのに、必ず私のところに持ってくるようになってしまったし…。
せっかく大野さんと久しぶりのランチでも、どこからか私を発見しては走り寄ってきて。
高「ご一緒して良いですか？」
なんて目をキラキラさせて、断りにくい雰囲気をバンバン出してくるし。
新人教育期間が終わってちゃんとしたデスクを与えられるようになったにも関わらず。
高「イヤです」
とか言い張って私の隣の席から動こうともしなかった。
高「森田さん、教えて下さい！」
今日も元気に懐いた駄犬は、私である必要もない質問を隣の席から投げ掛けてくる。
Ｏ『随分懐かれてんね(笑)』
大野さんにも笑われてしまう始末…。
山「あいつ、凄えな…」
青「根気強いというか…」
山「ドＭでしょ、アレ…」
青「否定は出来ませんね…」
オフィスの入口で同期と立ち話してる高橋を横目に、山田と青木さんがヒソヒソと私に話しかけてきて、うんざりしてる私の肩をポンと叩いて去っていった…。
もうホントなんなんだ…。
纏わりつく高橋を無理矢理帰し、報告が迫ってるプレゼンの資料作りを黙々と進めていたら、いつの間にか定時をかなり過ぎていて。
フロアには人の姿も無かった。
大野さんのデスクを見ると、椅子には掛けられたジャケット。
デスクに近寄ってＰＣをちらっと見ると、私なら３日は掛かりそうなデータが既に作られていて、足元には荷物がそのまま置かれていた。
やっぱり大野さんは凄い人だな…。
こんな人と一緒に仕事が出来て、一緒に居る時間を作って貰えるなんて…。
そっと大野さんのジャケットに顔を埋めると、少し懐かしくなってしまった大野さんの香り。
その香りにフッと目の前が滲んで。
自分が淋しかった事や、大野さんのトクベツになりたいって気持ちを嫌でも知る。
ふと目を上げると時刻はもうすぐ終電。
もしかしたら…。
願いも含んだ気持ちを胸に、私は仮眠室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 489人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ありがとうございます♪スベスベお肌で色気いっぱいですもの！(笑) 可愛いすぎて(″ﾉдﾉ） (2016年9月8日 0時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - オマケ話、確かにニノちゃんはそこらの女子より女子！イケるよねー！ (2016年9月7日 23時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ありがとうございます！スーツって良いですよね♪余裕が感じられる人からのヤキモチって萌えます(笑) 楽しんでもらえたみたいで嬉しいです(〃∀〃) (2016年9月4日 16時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - ひゃーー！とりあえずニノちゃんのお話いただきました！上司ニノちゃん、いいわー！スーツ姿って本当に萌える！エロいニノちゃんもホントに大好きです〜。余裕があって、でもちょっとヤキモチやくなんてズルいわ！大好き！ (2016年9月3日 23時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - どさんこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてすごく嬉しい！違いが出せるかが課題だったのでありがたい上に読み応えとか…(´pωq｀) オフィスラブ良いですよね♪私も好きです♪ (2016年9月3日 20時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒衣
| 作成日時：2016年9月1日 6時
