◆37 ページ37
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さらさらの茶色い髪を風になびかせて、黒目がちな瞳が俺を視界に捕えると、ちょっと申し訳なさそうな気持ちを含んだ微笑みを俺に見せた。
Ａ「松潤、久しぶりだね…
元気にしてた…よね(笑)」
思わず足を止めてしまった俺を余所に、カズはまーくんにつかつかと近寄って、バシッとお尻に蹴りを入れた。
Ｎ「あんたがそんなんじゃ
潤くんもそうなるでしょ！
まったく…本当バカなの？」
Ａ「なんだよ！バカって言うな！」
Ｎ「バカにバカって言っただけですぅ」
Ａ「バカっていう方がバカなんだぞ！」
Ｎ「あーうるさい！朝からうるさい！」
Ａ「うるさいって言うな！」
変わらない光景を見ながらボサッと立っていた俺の背中に衝撃が走って思わず仰け反る。
顔を顰めながら横を見ると、ふふん♪みたいな顔をしたAが俺の背中に平手打ちをもう一発入れようとしていて。
その手を右手で止めて、逆の手で背中を擦ってると、Aがニヤリと微笑んだ。
A「早く謝っちゃいなさいよ」
腕を振り解かれるとドンッ！と背中を押されて、まーくんの前によろけながら足を進めると、躓きそうになった俺の肩をまーくんが支えてくれた。
「大丈夫？」と掛けられる優しい声に顔を上げられなくて。
でもダメだ…って思って顔を上げたら、前みたいな優しくて全部包み込んでくれるような笑顔が目の前にあって視界が滲んできた。
Ａ「ふふっ♪
大丈夫だよ？
もう前みたいに出来るでしょ？」
ごめん…って声に出したら、視界がもっと滲んできちゃって。
慌てたまーくんが「これでもか！」っていう位の強い力でぎゅうぎゅうに抱きしめてくれて。
「どうしよう！どうしよう！」ってまーくんの声とか、「泣かしてんじゃないよ！」ってカズの声とか、ケラケラ笑ってるAの声とか聞こえてきて。
でも、止まんなくて。
Aが貸してくれたハンドタオルを顔に押しつけながら、あまりの恥ずかしさに顔が上げられなくて。
その間、ずーっとまーくんがよしよし撫でてくれてたのが、前と変わらなくて嬉しくて。
すんごい翔くんに逢いたくなって。
やっと落ち着いた俺の手を引いてくれるまーくんと、似たような顔して微笑ましく俺達を見つめる二宮姉弟の視線を無視しながら電車に乗り込んで。
そこでようやく。
どこに行くのか知らない事に気が付いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» こちらこそ、たくさんコメント頂いてありがとうございます(〃∀〃) 楽しんでもらえたようで安心です！ 義兄弟になったら、どっちも甘やかしそうですよね(笑) こっちでは時間軸がふにゃり前なので、あまり出番はありませんでしたが、その後はきっと…(。-∀-)ﾆﾔﾘ (2016年8月30日 17時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 続けてすみません！次はフニャリの彼が参加となりますよね？全員集合！ですね〜。楽しみにしております！ (2016年8月30日 15時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - こちらの完結おめでとうございます！ありがとうございます！もう、すっごくあったかい気持ちになりましたよ！んでニノちゃんの義兄弟に是非なって欲しい！とニヤニヤしました。フニャリの彼以外のメンバーの関係性も大好きです！ホントにありがとうございます。 (2016年8月30日 15時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» 読んで頂いてありがとうございます(〃∀〃) ドキドキしてハラハラしてもらえて嬉しい！ 大人になってく過程って人それぞれ感慨深いし、潤くん大変だっただろうな〜(汗) 幼馴染み達の大切さとか伝わったら良いな…と思ってたので、安心もしてもらえたようで良かった！ (2016年8月28日 23時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - しばらく読めてなくて、まとめて一気に読ませて頂きました！はー、すっごくドキドキして。不器用過ぎる潤君にハラハラして。素直になれた潤君にホッとして。また１つ大人になったね、潤君。周りの3人の人柄もよく出てて感動してます。とりあえず本当に良かった〜。 (2016年8月28日 21時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
