◆6 ページ6
◆SIDE-O◆
ニノが作った黄色い透明な壁の前で、雑魚達が叩いたり動き回ったりして慌てている様を見ていると笑えてくる。
だってさ。
ニノのだもん。
出れる訳ねぇよ。
＜随分と悪い顔するね〜＞
隣に居る翔くんが俺にそんなコト言ってくるけど、その本人の方がより悪い顔してる事に気付いてるんだろうか…。
そろそろ片付けないとな…。
司令塔の２人が残ってるし。
動き回る雑魚達に向けて手を挙げる。
３６０°ウロウロしてるから、すーっと回るみたいな動き。
翔くん曰く、滑らかに踊ってるみたいな動きになるから、毎回見惚れるって言ってたっけ。
滑らかな動きっていうけど、やってる事は結構酷いんだよな…。
だってさ。
体の水分、奪ってんだから。
ニノの歌声聞こえてくるから
試しに踊りながらやってみるか…。
すーっと動いて掌を相手に向ける。
ふわりと飛んだりず手っぷを踏みながら、掌を向けた相手からは少しずつ体の水分を奪っていく。
ニノの作ったバリアは箱状になってるから、少しずつ奪った水分が俺の真上でちょっとずつ大きくなりながら水の玉を作っていく。
ふわふわと体を動かすのは楽しい。
ニノの声が綺麗だから尚更だ。
歌に合わせてステップを踏んで、止まったり飛んだり。
ニノの歌も覚えたから、一緒に合わせて歌ってみる。
そしたら、その声を聞いた雑魚達が次第に体の動きを止めて、俺の方に視線を向けはじめていて、Aに歌を褒められた事を思い出す。
あぁ、楽しい。
自分が自分じゃないみたいだ。
ふわふわして、
音に体を乗せてるみたいだ。
＜智くん、
そろそろ止めないと
あいつら死んじゃうよ？＞
ふいに翔くんの声が聞こえて、周りを見渡すと何人も倒れこんでいて。
頭上を見上げると、音に合わせていたせいか、いつもなら１コの球体にしかならないのに、幾つもの水滴がキラキラとバリアの内側を覆っていた。
それはかなりの量で、気付かずにこんなに採ってた事に少しの焦りを感じた。
かろうじて立っていた何人かにも掌を向けると、すっと意識をなくすように倒れこんで。
頭上に両手を広げて水滴を吸収していくと、全身がいろんなモノに満たされているような感覚になって、力がみなぎるのを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - よーこさん» わー！！お返事かなり遅くなってしまってすみません(汗) お世話係も読んで頂いてるとは…ありがたいです！こちらの作品、気まぐれ更新なのでお待たせしてしまってますが、曲に巡り合ったらカタカタする予定です。SFチック良いですよね♪私も好きです！ (2016年10月28日 15時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
よーこ(プロフ) - お世話係りから大好きで全部読ませていただいてます♪SFちっくなお話は大好物なのでワクワクしながら読んでます。パズルみたいに少しずつみんなの過去がわかって絡んでくるところがツボです。更新楽しみにしています。 (2016年8月13日 7時) (レス) id: bb55e401ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
