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◆3 ページ25
◆SIDE-O◆
右手で後頭部を引き寄せて、噛みつくように唇を重ねる。
Aが驚いたように体を固くしたのが伝わる。
瞳がゆらゆら揺れてる。
唇が離れると、みるみるAの顔が赤くなる。
左腕を腰に回して引き寄せながら抱きしめる。
翼を羽ばたかせ、ふわふわと浮かびながら、彼女の感触に安心を感じる。
「…もうちょっとだけ」
もう一度、唇を重ねると、さっきよりも柔らかな感触。
気持ち良くて。
離したくなくて。
何度も唇を離しては重ねて。
何度か繰り返して、抱きしめて首筋に痕をつける。
思い出して、って想いを込めて。
体を離して、Aの瞳を見ると、
潤んで綺麗。
「……覚えてても、内緒♪」
唇の前で人差し指を立てながら言うと、コクンと頷く顔は真っ赤で。
我慢できずにフハハって笑っちゃったら、殴られた。
さて、と。
もう行かせなきゃ。
グイっとAを押し上げると、歌声と光の方に吸い寄せられていく。
オレは見上げながら見送る。
≪智くん！≫って声が聴こえて
Aは光に吸い込まれていく。
…さ〜て、帰るか。
オレ、戻っても忘れないんだよなぁ(笑)
困ったな…。
名前呼んだら、思い出してくれる…？
オレを必要としてくれる…？
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