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bluebird <O> ページ23

◆SIDE-YOU◆




気が付くと、
大きな樹の根元で眠っていたみたい。


体の下にはフカフカの緑。
何だか心地良くて離れがたい。


周りを見ると、頭上にはキラキラした水面みたいな蒼と白。
上に行くほど蒼く、下に行くほど白い、不思議な景色。


その内側には柵があって、まるで鳥籠のようで。


2m位先に段差があるようで、その淵に何か腰掛けている。


孔雀の羽根みたいにひろがった蒼い何かがユラユラ揺れている。




「………気が付いた?」




そう言うと振り返り、ふにゃっと微笑む。
どうやらヒトに近いモノみたい。


立ち上がるとこちらに向かって歩き始める。背中の孔雀の羽根は、もう消えていた。




≪アナタは、ナニ?≫




そうくるか!アハハと笑って「キミと同じモノだよ」と微笑みながら目の前にしゃがむ。




不思議と怖くない。
私はアナタを知ってるの?




「キミはおいらを知ってるし、おいらはキミを知ってるよ」と言うと胡坐をかく。




彼は、ぽつぽつ話し始める。




ココは私の世界とは別の場所だけど、心が繋がっている場所。
だから本当の世界に戻らなきゃいけねぇんだ、と言った。


ココは居心地良い?と聞くから頷くと、困ったように微笑んで。


長く居る事も出来るけど、そうすると『体が死ぬ』って教えてくれた。


あんな風に、と指差した樹の後ろには、崩れ始めた白い壁と錆ついた古い窓。


彼に視線を戻すと、困ったように微笑みながら、どうする?と聞く。




≪戻って良いの?って思った≫




少しずつ記憶がハッキリしてくる。
大切なモノを忘れてて、忘れた事も忘れてた。


それに気付いたら、心臓をギュッてされたみたいな気持ちになって。


みんなに守られて、自分だけ忘れて、「悲しい」も「切ない」も知らずに育った。




「戻ってくれなきゃ、おいらも困る」




真っ直ぐに見つめられる。
フワフワ髪の彼。








「知りたい事は、全部あの先」


すっと、鳥籠の上を指差す。








「大丈夫だよ」




聞きなれた声と言葉。


そうだ。
彼は。


いつも私を傍で守ってくれた。




私の両手を掴むと、胸の高さで祈るように握る。




彼はゆっくり瞳を瞑る。








<お願い、A……
 「一緒にいたい」って想って…>








頭の中に声が聴こえる。




彼の真似をして、瞳を瞑って、想う。




 

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作者名:黒衣 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年2月18日 8時

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