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◆SIDE-A◆
あぁ、これは夢だな。
すぐに気付けたのは、オレが高いトコから見てるせい。
オレを小さくしたみたいな男の子。
黒目がちで茶色いさらさらの髪が風でなびいてる。
サイズから考えると、オレが覚えてないチビの頃位なのかな。
今いる場所もどこか知らないけど、どうしてか懐かしい感じがする。
見渡す限り広い草原で、オレの生活圏にこんな場所は無いし、行くって言っても叱られそうだ…って感じの場所。
隣には「ハジメマシテ」でも親近感の湧くような女の子が１人。
親近感が湧く理由は、すぐに分かった。
だって、似てる人を知ってる。
その子とは、すっごい仲が良いみたいで、オレとずっと手を繋いでる。
風が気持ち良いね、って。
葉っぱの匂いがするね、って。
大人からしてみればどうでもいい話ばっかりしてるけど、それも楽しくて嬉しくて仕方ないみたいな顔を２人ともしてて。
でも、ちょっとずつドキドキが増してくるのはどうしてなんだろう。
オレ、今、この後に起こる事を気にしてる。
ちょっとずつ、ちょっとずつ。
ドキドキが大きくなってきてる。
そう、オレ達は、これから追いかけっこみたいなコトをする。
ほら、
キャッキャって楽しそうに走り出した。
きっとオレはキミを捕まえる。
ほら、もう捕まえた。
そんで、
２人してゴロゴロ転がって笑うんだ。
ほら…、ね…。
ダメだ、ダメだよ。
言っちゃダメだ。
聞いちゃダメだ。
あぁ…。
またオレはこの夏を繰り返すのか…。
覚えてないハズなのに。
思い出してないハズなのに。
オレはそう思ったんだ。
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