◇13 ページ13
◆SIDE-YOU◆
≪どうして私に見せたの？≫
私は頭のスイッチを切って聴いた。
雅紀くんは驚いてこっちを見る。
「こんな感じなの！？
こんなのはじめて！」
あひゃひゃ、と笑う。
……いや、質問の答えを下さい。
＜う〜ん、そうだね……
…………なんとなく？＞
きっと翔くんは吹いて、智くんは笑いを堪えてる。
＜大丈夫な人だと思ったから
リーダーの仲間でしょ？
翔ちゃんもでしょ？
それならイイヒトだもん＞
≪……え？知ってるの≫
＜うん、知らなかったの？＞
≪……あの俺様帝王め≫
「確かに！分かる！」と雅紀くんは小鹿みたいな瞳を向ける。
うふふ、と笑うと「オレがあの建物に居ない理由はね」と言うと、上を向いて「おいで」と言う。
彼が仄かに光ると１羽の小鳥が肩に降りてくる。その小鳥に微笑みかけ「大丈夫でしょ？」と言う。
ピチチ、と小鳥が鳴くと、私に視線を戻し
「こういうこ…うわっ！！！」
たくさんの小鳥たちが降ってきて、雅紀くんは埋もれんばかりになっていた。
乗られたり、羽ばたかれたり、つつかれたり。
「やめろ〜〜〜！」と言いながら、あひゃひゃと笑う。
≪……話せて分かるの？≫
＜うん、モノも大体は＞
≪じゃあ、リングから？≫
＜……ごめんね？＞
≪動物が来るから？≫
＜うん、だから居ないの＞
≪全然気付かなかった≫
＜うん、オレ、ナイトといるの＞
≪……それは人なの？≫
＜うん、音楽室にいるよ＞
音楽室に視線を送ると、
＜お前らすげぇな＞という翔くんのツッコミと智くんの爆笑が聴こえる。
「えっ！？こんなんも出来るの！？」と驚き顔の雅紀くん。
『俺様帝王の特訓の成果』と言うと、翔くんの念みたいなモノを感じて背筋が凍る。
「オレはね、１２より前を知らないの」
驚いて雅紀くんを見る。
「だから一緒に探そうね？」と微笑む。
……………なに、を？
「そうだった！！！」
雅紀くんは分かりやすく、思い出した！みたいな顔をする。
「今から行ってみたら？」と旧校舎を指差す。
きっと今なら音楽室のナイトに逢えるのだろう。
逢った事あるし言ってあるよ、と雅紀くんは微笑む。
「でも、コレは切ってね？」こめかみを指差しながら、恥ずかしがり屋サンなんだと教えてくれた。
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