1days 宮舘 ページ14
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「ここ…良いんすかね…」
「休ませてもらうだけだから」
アレから、佐久間を先頭にスタジオを後にした。
佐久間曰く、ウイルスの生存期間は地球にやって来て丸一日…24時間だということを知った。
だからこそ、一旦隕石から離れないと命は無い…と、街を少し離れた場所で見つけた山小屋に身を潜めていた。
「これも…」
「…騒動が落ち着いたら、皆で謝りに行こう」
避難の途中、近くの骨董品屋さんで何かあった時の為にと短剣やらナイフを…ちと拝借させて頂いて。
水や乾パン、日持ちの良い食料や薬類をこれまた拝借したバックパックに詰め込んで来た。
真面目な目黒は、借りるというより盗んだという気持ちがデカいらしい。
「ちゃんと写真も撮ったし、証拠は残してる。こんな状況だよ。同じ事を考えている人は少なくないと思う」
「…うん」
ポケットに入っていたスマホは常に圏外の状態。
カメラしか使えないスマホの画面を見せると、渋々納得したような目黒はペットボトルの水を数口飲んでから、再び口を開いた。
「皆…元気っすかね」
「ふはっ…(笑)」
「…国王が笑ってるってことは〜、大丈夫だぁ」
ここにきて目黒のアホっぽい発言に思わず吹き出すと、佐久間も乗っかりフォローしてくれる。
「康二と翔太は意外と康二が引っ張ってくれそうだし、阿部と照なんて対照的だけど上手くいくだろうし。ふっかにはラウがついてるから大丈夫だよ」
「うんうん…ん?」
「さらっとふっかさんディスりましたよね(笑)」
「バレた?」
不謹慎かも知れないけれど、笑っている方が俺ららしい。
もうすぐ日が落ちる。
ロウソクの明かりを囲んで、只ひたすら時間が過ぎるのを待っていたんだけれど、佐久間のお腹の虫が鳴り出した所で軽く食事を摂ることにした。
…といっても、乾パンなんだけど。
「乾パンって…こんな味だったんすね…」
「まぁ…流石保存食って感じ」
「…(笑)」
無心で乾パンを食べてる2人が微笑ましくて。
同じように乾パンを口に入れるけど、やっぱりお腹いっぱいにはならない気がした。
如何に自分達が当たり前の世界で生きていたのか…実感する。
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作者名:ふうか | 作成日時:2021年2月4日 22時