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この時ほど自分の身長が高くてよかったと思った瞬間はないかもしれない。長い足を駆使して2段飛ばしで階段を駆け下りてAさんの後ろ姿を追いかける。
｢Aさん！！！｣
｢え、鉄朗！？｣
やっと呼び止められる距離まで追いつき、名前を呼ぶと周りからもなんだなんだと視線を浴びる。
しかしそんなことは気にしていられない、俺は左手に持っていた交通系ICカードをAさんに差し出した。
｢これ、落としました、｣
｢え、あ、本当だ！ごめんわざわざ！｣
ジャージのポケットを確認したAさんが慌ててそれを受け取る。俺は切れる息を落ち着けるように唾を飲み込んだが、やたらヒリヒリと違和感を残しただけだった。
｢ほんとごめん｣とAさんが申し訳なさそうに眉を八の字に歪める。
｢や、全然大丈夫です。間に合ってよかったです。｣
｢なんかお礼するよ。…そうだ、今度うちでご飯食べて行きなよ｣
じゃあ、と踵を返す直前だった俺は思いがけない提案に｢え！？！？｣と思わず大声をあげてしまった。走ったあとのせいで喉が血の味がする。
｢え、や、そんな大層なことしてもらうほどのことじゃ、｣
｢あ、ごめんうち来るのやだよね。外食にしよっか｣
｢そういうわけじゃないですけど！！！！！！！｣
｢声デカ｣
俺的には棚からぼたもちすぎるんですけど、逆にいいんですか！？と口から零れそうなところをぐっと堪える。
…あんまがっついてると思われたらアレだし。いやがっついてるけど。あんま好意丸出しだとなんかガキみてーじゃん。いやAさんから見たらガキなんだけどさ…
と心の中で押し問答を繰り返してると｢じゃあまた予定決めたいからLINE交換しよ｣とAさんがスマホを取り出した。
｢私料理得意だからさ、任せてよ｣
｢…ウス｣
料理得意とか、なんか大人だな〜…大学生ってそんなもんなのかな、すげーな…と思いながら、俺はスマホをふるふるして連絡先を交換したのだった。
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さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！このお話だいすきです！これからも応援してます‼︎ (4月11日 22時) (
レス) @page15 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
yuuu(プロフ) - すごくすごくおもしろいです！黒尾さん、大好き！ここのクロかっこかわいいです (3月19日 6時) (レス) @page14 id: 6410d877bf (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 暁☆さん» コメントに加えて前作、本作を読んでいただきありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳ないです。暁☆様にも楽しんでいただけましたら嬉しいです！ (3月15日 8時) (レス) id: 61b67fe907 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 続編おめでとうございます！久しぶりだったので最初から読み直したのですが、やっぱり好き〜！を噛み締めてしまいました…！続きを読めるのが本当に嬉しいです✨お身体気をつけて、作者様のペースで頑張ってください！これからも応援しています😊 (3月14日 20時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗 | 作成日時：2024年3月14日 11時
