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｢よし！じゃあ食べよっか！｣
テーブルに並べられた2人分のハンバーグとご飯、サラダとスープにAさんは満足そうに腰に手をやった。
いただきます、とハンバーグを1口に割って口に運ぶ。ファミレスとはまたちょっと違う、家の美味しいハンバーグって感じだ。
｢うまいです｣
｢鉄朗いつもそれしか言わないじゃん｣
｢いつもうまいです｣
｢そ〜｣
満更でもなさそうにAさんがスープを口に含む。だって本当だ。いつも何食べてもうまい。
と、ふとさっきの会話を思い出す。｢Aさん、さっき実家では料理したことなかったって言いましたよね｣
｢？うん｣
｢一人暮らししてから練習したんですよね｣
｢うん、と言っても1年目はコンビニばっかりだったけどね｣
｢なのに俺にいつもご飯作ってくれたんですか？｣
｢……あ、｣
しくじった、と言わんばかりにAさんが目をそらす。俺は2年前の出来事を思い出していた。
2年前、俺が高1でAさんが大学1年生だった頃。つまり出会った年。
夏の合宿が終わったあと、各々が帰路に着く中俺を含む数人の部員はAさんと同じ路線の電車を使っていたのでなんとなく雑談をしながら揺られていた。
とは言っても俺はAさんへの気持ちを自覚したばかりで緊張してまともな会話をできた記憶は無いが。
｢あ、じゃあ私ここで降りるから。みんな部活頑張ってね｣
｢ウス！ありがとうございました！｣
3年生、つまりAさんの1つ下の後輩あたる先輩が頭を下げた。それにならって俺たちも頭を下げると、Aさんはそんなのいいよ、と言うように数回ひらひらと手を振った。
と、電車の床いっぱいだった俺の視界にひらりと何かが飛び込んでくる。
え、これ交通系ICカード…これねえと電車降りれねえじゃん！
｢ちょ、Aさ、｣
慌てて呼び止めようとするも、Aさんは既に電車から降りて改札の方へと視線を向けていた。やば、間に合わねえ！
その瞬間俺は落ちているそれを拾い上げて走り出していた。この瞬間の｢落ちている物を拾い上げる速さ選手権｣があったら日本代表くらいにはなっていたと思う。
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さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！このお話だいすきです！これからも応援してます‼︎ (4月11日 22時) (
レス) @page15 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
yuuu(プロフ) - すごくすごくおもしろいです！黒尾さん、大好き！ここのクロかっこかわいいです (3月19日 6時) (レス) @page14 id: 6410d877bf (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 暁☆さん» コメントに加えて前作、本作を読んでいただきありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳ないです。暁☆様にも楽しんでいただけましたら嬉しいです！ (3月15日 8時) (レス) id: 61b67fe907 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 続編おめでとうございます！久しぶりだったので最初から読み直したのですが、やっぱり好き〜！を噛み締めてしまいました…！続きを読めるのが本当に嬉しいです✨お身体気をつけて、作者様のペースで頑張ってください！これからも応援しています😊 (3月14日 20時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗 | 作成日時：2024年3月14日 11時
