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｢えっ、ちょっとやだ鉄朗！？いたの！？いつから！？｣
｢……ナンパされた瞬間から…………｣
｢うそ……｣
｢いたなら言ってよ！｣と地団駄を踏むAさん。いや…言おうとはしましたよ…つかかっこよく助ける予定だったんすけど…Aさんにアレやられて負けない男いないでしょ……
｢…Aさんかっこよかったっすよ｣と零すと無言で小突かれた。
｢俺あんなかっこよくナンパ追い払う自信ないっすわ…｣
｢う、うるさいな〜〜〜！大体鉄朗がずっとトイレ行ってるからでしょ！？｣
照れからか、いつもより強めの力でバシバシと背中を叩かれる。と、｢ん？何これ｣俺の左手に手を伸ばした。
｢あ、ちょ！｣俺は慌てて左手を背後に回すと、Aさんは訝しげに俺を睨んだ。
｢……なに｣
｢これは、その、Aさんに、｣
｢？私に？｣
俺の後ろでガサ、と紙袋が揺れた。
トイレに行くと言ったのは嘘だ。これはAさんがアイスを食べている間にと全速力で選んで買ってきたのだ。
俺は走ったせいか緊張からかわからないまま、乾いた喉を潤すために唾を飲み込んだ。気休めにもならなかったが。
俺はそろりと紙袋をAさんの前に出した。
｢お、俺、Aさんがどんな匂いが好きとかわかんねーけど、似合いそうなやつ選んできました｣
｢え、｣
そう、俺がさっきまでいたのは香水売場だった。悔しいけど俺は大学生ほどお金ないし、ボトルも小さい方しか買えなかったけど。
俺は紙袋の紐の部分を握りしめ、Aさんに渡す。
｢俺、他の奴が勧めた香水をAさんがつけてんの、やだから｣
｢は、｣
｢俺が選んだのじゃ、だめですか｣
Aさんが元々大きな目を更に大きく見開く。はくっと赤い唇が音もなく開いて閉じた。
そして無音が俺たちの間を過ぎ去っていく。え、これなんの時間？俺は受け取り待ちなんですけど、え、まさか受け取ってもらえない感じ？いやでもそうだよな、全然Aさんの好みじゃないかもしんねーし、いやでも受け取りはしてほし…
｢あ、あの、この後Aさんの好きな香水見に行っても全然いいんで、その、たまには俺の選んだのもつけてほしいかな〜って！｣
｢……｣
｢…Aさん？｣
段々俯いていくAさんに流石に不安になり、Aさんの顔を覗き込むと、腕で顔をガードされた。
｢ちょっと、こっち、見ないで｣
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さき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！このお話だいすきです！これからも応援してます‼︎ (4月11日 22時) (
レス) @page15 id: 017d61e151 (このIDを非表示/違反報告)
yuuu(プロフ) - すごくすごくおもしろいです！黒尾さん、大好き！ここのクロかっこかわいいです (3月19日 6時) (レス) @page14 id: 6410d877bf (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 暁☆さん» コメントに加えて前作、本作を読んでいただきありがとうございます。更新が遅くなってしまい申し訳ないです。暁☆様にも楽しんでいただけましたら嬉しいです！ (3月15日 8時) (レス) id: 61b67fe907 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 続編おめでとうございます！久しぶりだったので最初から読み直したのですが、やっぱり好き〜！を噛み締めてしまいました…！続きを読めるのが本当に嬉しいです✨お身体気をつけて、作者様のペースで頑張ってください！これからも応援しています😊 (3月14日 20時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麗 | 作成日時：2024年3月14日 11時
